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借金と会社組織は利用すれども依存せず
 
 小室哲哉さんの逮捕が話題になっていますね。90年代にあれだけのヒット曲を飛ばし、稼ぎに稼ぎまくったはずの小室さんが、全盛期の彼からすれば、何てことはないはずの5億円程度の高利の借金の返済に困って犯罪に手を染めてしまったというのは、なんとも皮肉です。
 世間では、「ヒット曲が出なくなった後も浪費癖がおさまらなかった」と面白おかしく書き立てていますが、今でも彼の曲がカラオケで歌われたりすることで、かなりの金額の印税収入が継続的に入ってくることを考えると、ホテルのスイートルームや、高級外車を維持するぐらいの生活はできたのではないでしょうか。過去の事業経営の失敗がきっかけで雪だるま式に膨らんでしまった借金さえなければですが・・・。

 サブプライムの影響で、外資系金融機関や不動産ファンド等の破綻や雇用調整が日本国内でも始まっています。最近、某外資系投資会社に勤めていた私の知り合いの一人も退職を余儀なくされました。「日本国内の投資は当面凍結」という親会社の方針が出た以上、彼が担当すべき仕事は発生しなくなってしまいましたから、やむを得ません。彼の勤務先は、市況連動性が高く、成功報酬型の高給でしたから、その給与をベースに考えてしまうと、プライドが邪魔して再就職もなかなかに苦戦しているようです。しかも、彼は完全に会社組織の看板と資金調達能力をフル活用して活躍していた「投資家」さんでしたから、今さら事業会社の一使用人として、地道にやり直せるような心境には、今のところ至っていないようです。私のところへの相談も「場合によっては、独立したいのだけど、自分にできるコンサル等の仕事を紹介してくれないか?」というものでした。ただ、「機関投資家?」時代の「上から目線」が抜けない彼にご紹介できるような仕事は、彼のポテンシャルがどんなに優秀であったとしても、残念ながら現在の私は持ち合わせていません。

 立て続けにこのような話を聞くにつけ、「借金」と「会社組織」というのは、とても似ているところがあるなと思いました。いずれも、バランスを考えた上でうまく利用すれば、独立自営の個人事業主よりも労働時間を節約するなり、大きく稼ぐといったことが可能になりますが、何らかのきっかけでこのバランスが自らのコントロールの範囲から逸脱してしまうと、あっという間に借金と会社組織への依存度が強くなりすぎて、自分の生活基盤が全く成り立たなくなってしまうところまで追い込まれます。まさに「レバレッジの負の効果」です。

 そうは言っても、借金からも組織からも完全に独立して食べていけるという人などというのは稀だと思います。かく言う私も、多額の借金こそ今のところ背負っていませんが、今後、住宅ローンを組むこともあるでしょうし、現在もなお、会社組織から有給休暇と給料を頂いており、相当な依存関係にある身です。

 このような依存関係をなるべく緩和し、借金や会社組織とうまく向き合っていくには、個人的に以下のようなことが大切かと考えています。

 生活固定費はなるべく小さくして、収入変動への抵抗力をつけると同時に、借金を利用する場合には必ず、資産サイドにおいて、自分自身への投資・鍛錬によりキャッシュ・フロー獲得能力を高める以外にも、複数のキャッシュ・フロー獲得ルートを確保しておく。(運用資産であったり、妻の就業であったり・・・)
 また、現在属する会社組織に対しては、頂いている収入以上の貢献は常に心がけつつも、決して「何かで自分に報いていくれるだろう」という過度の期待を抱かない。そして、常に一歩引いた冷静な視点で組織を見ながら、自分と家族の身を守る救命ボートの算段だけは、自分自身でしておく。少なくとも、自分が組織の中で責任あるポジションを引き受けることがない間は、そうありたいと思います。

 このような考え方から、個人的な信頼関係で繋がっている古くからのお客様との仕事や、指名で頂く仕事は、たとえ組織の規模から言ったら、引き受けるべきではないと判断されたとしても、手を変え品を変えあらゆる手段を講じて、できる限り大切にしたいと思っています。これは、チームワークを最重要視する根っからの組織人からすれば、「自己中心的だ」と批判されるのかもしれませんが、これは私のリスク管理手段として譲れない一線です。

 「借金と会社組織は利用すれども依存せず」言うは易し、行うは難しですが、いつ自分の所属する会社がつぶれるなり、売り払われるなりするかわからない時代だからこそ、そういう気概は極力、持ち続けたいと思います。
| cpainvestor | 00:23 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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