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師走の義務
 
 以下、12月5日の日経NETから抜粋です。

奨学金延滞者は通報 学生支援機構、信用情報機関に
 日本学生支援機構は5日、奨学金の返済を3カ月以上延滞した人について、個人情報を信用情報機関である全国銀行個人信用情報センターに提供することを決めた。提供された人は各種ローンやクレジットカードなどの利用を断られる可能性がある。2010年4月から実施する。奨学金事業で3カ月以上返済が滞っている不良債権額は07年度末時点で2252億円。財務省などは「回収努力が不十分」として、同機構や所管する文部科学省に改善を求めている。


 奨学金返済の滞納問題は、日本学生支援機構(旧日本育英会)のみならず、多くの地方自治体や学校法人にとっても頭の痛い問題のようです。お役所仕事の弊害か、回収督促が甘いのを良いことに、踏み倒しを狙っている輩も多いと聞きます。大学を卒業した後、多くの支給対象者は仕事を得ているはずですから、低利(もしくは無利息)でかつ毎年の返済額も少なく設計されている貸与奨学金の返済ができないはずはないと個人的には思うのですが・・・

 実は、私自身も出身大学から無利息の貸与奨学金の支給を受けていました。このため、毎年、勤務先から12月の賞与を頂くのとほぼ同じという絶妙なタイミングで、大学からそれなりの金額の請求書が、下記のメッセージレター付きで送られてきます。

 奨学金の返還は必ずしも容易ではないかも知れませんが、かつて奨学金の貸与を申請したときのことを思い起こし、後輩のためにも約束どおりの方法で間違いなく返還を履行してくださるようお願い致します。

 まさにこの債務返済は、私にとって毎年の「師走の義務」といったところでしょうか。

 私は、この奨学金制度のおかげで、(成績はともかく)大学を無事に卒業でき、3回生の時にはアルバイトを最小限度に抑えて、会計士の試験勉強を始めることができました(在学中に合格はしませんでしたが・・・)。それに、卒業時には、奨学金という当時の私としてはそれなりに多額の債務を背負って社会に出ることが確実であったことが、「とにかく、食いっぱぐれるリスクが低い仕事を探そう、そのためになるべく手に職をつけよう」という意識につながったような気がします。

 おそらく私は、自分の息子達が大学生ぐらいの年頃になって、どのような道に進もうか悩む年頃になったら、「学校の人気だとか、入試のレベルなんぞは、どうでもいい。ただ、その教育・時間投資の回収可能性はどの程度と考えて挑戦しているのか?投資回収の可能性を少しでも上げるために、どのようなアプローチで自分なりに努力するつもりなのか?」と問い詰めていまいそうな気がします。
 「子供達の可能性を伸ばすことこそが教育、そこに投資回収の概念を持ち込むことはナンセンス」という正論を言われてしまうと、私の考え方は相当に偏っていそうで、つらいところですが、そこは妻にフォローしてもらうことにしたいと思います。

 学生時代に生活や教育投資に関する金銭感覚、就業意識を身につけさせる教育を徹底して行うことなく、奨学金だけを貸与するから、返済の延滞が問題になったり、高学歴ワーキングプアの問題が発生したりするのではないかと、個人的には思っています。
 
 それにしても、今日のランチで職場の同僚の何人かに、試しに奨学金返済をしている人のリサーチをしてみたのですが、ほとんどいませんでした。私立中高一貫校の出身者が過半数を占める現在の職場に、オール公立出身の雑草Minorityとしては、違和感を覚えずにはいられません。
| cpainvestor | 00:50 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
数ヶ月前に、「奨学金返還完了通知」が届いていました。ほっと一息という感じです。
高校の時から、奨学金を貰っていたので、大学を選ぶ段階から「食いっぱぐれない」ことを第一に考え、学部を選びました。
お金の問題を表立って話すのは、最近までは一般的でなかったと思うのですが、重要な問題ですよね。
「食べて行けるか。」の上に、あらゆる議論が存在すると思います。
Posted by: のっぽ187 |at: 2008/12/09 3:00 PM
のっぽ187様

 「奨学金返還完了通知」ですか、うらやましいです。一歩先を越されました。
 高校生の頃から奨学金を頂いていたら、なお、きっちりとした金銭感覚がつきそうですね。

 話は少しそれますが、前に中国のシンセンに出張に行った時に、人々のあまりのハングリーさに圧倒された記憶が鮮明に残っています。

 なんでもオカネで解決してしまう実は「超資本主義」の中国に強烈な違和感を感じながらも、この「豊かになりたい」「食うためにはまずはカネだ!」というエネルギーに勝るものはないのだということを痛感した次第です。

 あそこまで強烈に金銭への執着はしたくないですが、あのハングリー精神は末恐ろしく思いました。日本国内で「派遣の雇用を守れ!」とシュプレヒコールをしている場合ではないかもしれません。
 中国のあのハングリーな方々にわれわれが仕事を奪われる危機は、もうすぐそこまで来ている気がします。
Posted by: cpainvestor |at: 2008/12/09 11:50 PM








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