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理解 → 同感 → 共感

 
 昔ある職場でお世話になった方から、投資初心者にやさしい決算書分析を教える講師の方々向けに「わかりやすい決算書分析の教え方」なる「講師向け研修」を激安ボランティア価格で頼まれてしまいました。正直なところ、あまり気が進まなかったのですが、私にはどなたかのような「断る力」がないので、結局引き受けることになってしまいました(泣)。

 一度、引き受けるとお約束してしまった以上、手は抜けなくなる性分なので、先日、この団体が主催する「決算書分析」の講義を見学させてもらいました。若かりし頃に自分がこの手のテーマで初心者向けに講義をすることが何度もありましたが、なかなか人様が自分とかぶるテーマで話しているのを見聞きする機会はなかったので、いくつも新たな発見があってなかなか興味深いものがありました。

 それにしても、「決算書の読み方を知りたい」というニーズは高いのですね。真夏の暑い日だというのに、40名以上の方が熱心に聴講されていました。どおりで雨後の筍のように大量の「決算書本」が出版されているわけです。

 講師の方の話を聞いていて改めて思ったのですが、個人のプレゼンテーションだけで、公募で集めたレベルにバラツキのある受講者の大多数を短時間で「理解」→「同感」→「共感」のレベルまで持っていくというのは、至難の業ですね。

 安田佳生氏のこの著書では、人は「わかる」という意識について、3段階のレベルを持っていると説明されています。

レベル 理解する
文字通り、説明している内容の意味を相手が理解すること

レベル◆同感する
「理解」が進むことによって、「ああ、そうそう、私も前々からそう思っていた」などと相手の考えていることとの同意が得られること

レベル:共感する
「同感」に加えて、話者の感情がじわじわと伝わることによって、相手の感情にはもともとなかったような感動なり衝動が生まれること

 本当の意味で「わかる」というのは、おそらくで、のレベルまで聞き手の感情を持っていくことができれば、必ずそれは「聞き手のアクション」に結びつきます。例えば、決算書分析の講義の例で言えば、「ああ、うちに帰ってもっと沢山の会社の決算書を読んでみよう」ですとか、「参考書籍をいろいろ購入して、もっと深く勉強してみよう」という感想が返ってくるようになるところを講師としては最終的に目指さないといけないのだと思うのです。

 ,痢嵳解する」はシンプルなプレゼン資料と明解なロジックに基づく解説ができるような台本を用意してあげられればなんとかなります。△痢崙唄兇垢襦廚蓮∧かりやすい具体例をいくつも挙げて説明することができれば、たどりつけるかもしれません。ここらあたりまでは、「講師研修」でマテリアルを用意して説明することで私でも底上げできそうな気はします。ただ、の「共感する」は、「相手の感情に思いをはせる」ということになるので、多分に講師のサービス精神とパーソナリティ、実務経験値に依拠することになります。ここを標準化、一般化するのは全くもって難しいです。

 「人にものを教える人」に「その教え方を教える」というのは、思った以上に難しい仕事だと講義を聞いていて思いました。夏の仕事が落ち着いている間に、このレベルの方法論についても、もう少し研究してみたいと思いました。

 余談ですが、この「わかる」の3段階解説をしている安田佳生氏は、身近な事象を題材に物事を深く考え、その本質だけ抽出して、これを面白く、分かりやすい文章で表現することにかけては、抜群のセンスをお持ちだと思います。どの著書も言っていることの本質はほとんど同じで、自分は出版社のマーケティングに踊らされているだけなのではないかと思いつつも、彼の視点がとても面白いのでつい手にとって読んでしまいます(笑)。彼の著書は、いずれもベストセラーなのだとは思いますが、一話完結型のエッセイ集で、満員電車の中でもサラサラっと読めるので、気分転換にオススメです。まだ読まれていない方は、中古本でも十分楽しめると思いますので、いかがでしょうか。

         

追伸
 先日ご案内した「利益の質」分析のセミナーも、開催が迫って参りました(ただ今原稿追い込み中・・・)。お越しいただいた1人でも多くの方が上記レベルに近づいて頂けるように、最善の努力をしたいと思っております。主催者に確認したところ、既にこのマニアックなセミナーを開催するには十分な人数の方がお集まりだと聞きました。市中の決算書本では満足できなくなったファンダメンタル投資マニアの方の参加も引続き募集しております(笑)。このブログ読者の方でお越しいただいた方は、ぜひ、講師に一声おかけ下さい。

| cpainvestor | 22:56 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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