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JALの窮境原因について考える(その2)


 今回は、日本航空の業績を事業別に見ていくことにします。
まずは、過去5年間の事業別損益の推移です。

JAL事業別損益推移

全社業績は航空運送事業の損益次第
 
JALは、本業である航空運送事業以外に、旅行企画事業(JALパック等)、カード・リース事業(JALカード等)など、いくつかの関連事業を保有しています。ここ数年の事業別営業損益の推移を見る限り、これらの関連事業は、リストラクチャリングによりホテル・リゾート事業を縮小した後は、黒字基調で推移しているように見受けられます。ただし、これらの関連事業の営業利益貢献度は各々数十億円程度に留まっており、航空運送事業の営業損益の変動(期によっては1,000億円以上)を大きく緩和するほどの影響力はありません。
 結局のところ、毎年のように囁かれるJALの業績不振の原因は、特定の不採算事業が全体業績の足を大きく引っ張っているということはほとんどなく、「本業である航空運送事業の不振につきる」と言えます。

 次に、過去5年間の事業別資金収支のトレンドを見てみましょう。X軸は事業別EBITDA(事業別営業損益+事業別減価償却費)、Y軸は事業別資本的支出です。(事業の種類別セグメント情報より抜粋)
JAL事業別疑似CF

稼いだキャッシュ以上の設備投資が継続して必要となっているJALの航空運送事業
 
上図が示すように、JALグループ全社の資金収支フローの規模を考えると、航空運送以外の関連事業は、ほとんど無視しても良い水準であると言えそうです。(当該関連事業の資金収支は上図の左上コーナー部分に小さく集中していてほとんど見えない。)
 ここで、航空運送事業の資金収支のトレンドに注目してみると、2005年度を除き、常にEBITDA<設備投資(上図左斜め下部分)であり、航空運送事業が稼ぎ出すキャッシュだけでは、当該事業に係る設備投資資金を賄えない状況が続いています。大事故を未然に防ぎ、継続的な燃費改善を図るためにも、航空機の更新投資は必要不可欠であるのでしょうが、肝心のキャッシュ利益の方が全然ついてきていません。このような状態で有利子負債を順調に減らせてこれたのは、一にも二にも過去の増資の成功と、ホテルやJALカード株の少数持分売却など資産売却のおかげといえるかもしれません。

 次回は、なぜ、JALの航空運送事業の損益変動がこれほど大きく、不振を極めているのか、もう少し突っ込んで考えてみたいと思います。(つづく
 

| cpainvestor | 23:23 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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