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フラット35の積極的な繰上げ返済を迫るアドバイスは適切か?


 最近、住宅購入を真剣に検討するようになって、住宅ローンの勉強をしています。少し検索するだけで、沢山のウェブサイトがヒットし、住宅ローン減税の効果まで考慮に入れて簡単な返済シミュレーションができる金融電卓サイトなどもあって、重宝しています。

 「インターネットと金融サービスの親和性が高い」というのはまさに真実で、住宅ローン金利や各種手数料、その他諸経費などの取引条件なども一発で比較できてしまう上、最も安い金利を提供しているのが、どのような会社なのかもすぐにわかってしまいます。審査の厳しさなどが不明ではありますが、リアル店舗を持たないモーゲージ専門会社の金利などを見ると、まさに「驚きの金利」が提示されています。特にこの会社の提供するフラット35の金利などを見ると、「35年間もの長期に渡って、この固定金利でそれなりの金額を借りられる個人など、世界中探してもそうそういないのではないか」と思ってしまいます。

 ただ、気になるのは、何人かのフィナンシャルプランナー(FP)のWEB上のアドバイスなどを読むと、まるで判を押したように、「なるべく余裕をもってまずは長期で借りておき、お金ができた時にこまめに繰上げ返済をしましょう」というコメントばかりが目につきます。この種のアドバイスを見かけるたびに私は首をかしげてしまいます。

 にわか勉強ではありますが、フラット35のような長期固定金利で住宅ローンを借りて住宅購入をする場合には、以下のようなメリット・デメリットがあるのではないでしょうか。

<メリット>
1. 現状では、長期間、かなり低い固定金利(現状はこれに住宅ローン減税がつく)で資金調達できる上、元利均等払いを選択すれば、月々の返済額が固定化でき、家計管理が行いやすくなる。
2. 住宅ローン返済期間は、団体生命保険の強制加入により、世帯主死亡時に遺族による無償での住宅取得が可能になるため、借家暮らしの場合に比べて扶養家族にかける生命保険の金額を抑制できる。
3. 国家財政悪化による将来の悪性インフレリスクを、ある程度ヘッジできる。
4. ローン返済後は、住宅が自己資産となる。

<デメリット>
1. 現状の変動金利に比べ、若干割高の固定金利を支払うことになり、返済が長期に渡るほど、利息相当分の返済額が大きくなる。
2. 長期間固定額の返済が続くため、失業や長期入院等により収入が途絶した場合に、返済不能リスクが高まる。このリスクは、住宅購入時のローン比率が高くなればなるほど顕著になる。
3. 借家であれば、蓄財できたであろう資産の運用収益をあきらめなくてはならない。

 前述したFPの方々の繰上げ返済のアドバイスは、デメリットの1、2をなるべく小さくすることを主目的になされているのだと思います。ただ、現状のような、歴史的に見ても、非常に低い固定金利での資金調達に成功したのなら、むしろ繰上げ返済などせず、メリット1、2、3、4を徹底的に活用するアドバイスをすべきなのではないでしょうか。つまりこういうアドバイスです。

 公務員、財務状態の良い企業にお勤めの皆様、夫婦共働きの皆様は、以下の方法によりフラット35の期限の利益をフル活用することをご検討下さい。
・20%程度の頭金が用意できれば、予算の範囲内でできるだけ立地の良い売却可能性の高い場所に不動産を購入しましょう。
・ フラット35でのローン申込みと約定返済を少なくとも10年は続け、住宅ローン減税の便益を最大限に活用しましょう。
・ 繰上げ返済が可能な原資は、インデックスファンドや債券で運用して、住宅ローン金利を上回る運用を目指しましょう。その際、半額ぐらいは外貨建債券での運用も検討しましょう。
・ 住宅ローン減税適用期間終了後、そのまま運用と返済を続けるか、運用資産と住宅ローンを相殺するか、その時々の家計の状況を鑑みながら、定期的に検討しましょう。

 上記アドバイスは、万人受けするものではないことは百も承知です。ただ、比較的若い世代で、与信能力が高い上位20%程度の住宅ローン利用者(特に住宅ローン減税の効果を最大限享受できるような所得税負担者)には有効なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 そういいながら、私の周りでも、夫婦共働きで優良上場企業に勤めながら、FPさんの言うようにボーナスのたびにせっせと繰上げ返済に励んでいる方が多いのですが・・・。

| cpainvestor | 21:46 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
私の場合は
・変動金利で借りる
・繰上げ返済はしない
・あまっているお金を投資に回す
そもそも固定金利という選択肢は論外です。理由は簡単です。金利が高いのに、リスクが低いわけでもありません。
Posted by: Uesugi |at: 2010/04/09 12:20 AM
なかなか面白い提案ですね。
運用リテラシーの無い人ならば繰り上げ返済すればOK、というアドバイスで良いと思いますが、もっとリスクをとっても良いという人なら、確かに別のアドバイスもありえるかと。

共働きで世帯年収が1000万を超えるような夫婦で、3000万位の家を買う場合ならば、こういうのはどうでしょう。
1.ローンは変動金利で借りる。今なら1%未満とありえない低さ。
2.変動金利が、仮に固定金利で借りた場合の2.5〜3%まで上がるとしても、何年かはかかるだろうと予測。
3.変動金利が固定金利に追いつくまでに、必死でお金をためる(1年で300万位)。当初はリスク資産は買わない。

↑これをやると、当初の金利負担が少ない分、貯蓄スピードを上げる事が出来ます。1%以上の金利差は相当でかいです。
その後金利上昇があったとしても、国債に投資しておくだけでローン金利と利息収入をかなりの割合で相殺できます。
すると金利部分の負担がかなり少ない状態で家を買える、という状況に。
投資でリスクを取るのではなく、変動金利でリスクを取る、といった方式です。
このやり方が本当に有利なのかどうか、イマイチ自信をもてませんが。。
2の予想などはかなり危険ではありますが、リスクを取るならこれくらいやってもよろしいかと。
FPとしてはこんなキケンなアドバイスは中々出来ませんけどね^^;

Posted by: ny |at: 2010/04/09 6:58 AM
Uesugiさん

コメントありがとうございます。
変動金利で借りるという手もありなのだと思います。ただ、かつての原油ではありませんが、突然上昇に転じた時に自分がきちんとヘッジできるだろうかと考えると、なんともいえません。

個人的には、半分固定、半分変動のような商品も検討対象にしようかと考えております。

その前に物件を見つけることが先ではありますが。

Posted by: cpainvestor |at: 2010/04/13 11:25 PM
nyさん

なかなか面白い提案をありがとうございます。変動金利の安いうちに投資の格となる種銭を確保しようという作戦ですね。

確かにおっしゃるとおり、投資はある一定額の種銭を確保するまでは、なかなか効果が出にくいのが玉に傷です。

ただ、やはり資産と負債の両建てでリスクポジションをとるのは、不動産流動化銘柄ではありませんが、相当なリスク管理能力がいりますね。

個人的には、最初の頭金と投資の種銭をどのように分割するかが思案のしどころです。

まちがいなくいえるのは、住宅ローン利用時の投資運用では、今より債券の比率を上げざるを得ないということでしょうか。今はほとんど株式なので。
Posted by: cpainvestor |at: 2010/04/13 11:29 PM
既に実施しています。

今年から、配当収入>支払利息 が実現しております。

それでも景気が落ち着いたら(株式リターンが小さくなり始めたら)やっぱり繰り上げ返済にも精を出します。

理屈じゃなくって、心理的な負担感なのでしょう。

http://plaza.rakuten.co.jp/gonchan02/3000
Posted by: gonchan |at: 2010/04/27 8:16 PM
gonchan様

コメントありがとうございます。
ブログを放置しておりまして、レスが遅れたことをおわび致します。

配当収入>支払利息を実現されているとのこと、私も見習いたいところです。

ブログもよく見させていただいております。私もタバコ会社や、生活必需品系、メディカル系の長期ホルダーですので、いつもシンパシーを感じておりました。

海外証券口座の所感なども、またお知らせいただければと思います。
Posted by: cpainvestor |at: 2010/05/22 11:22 PM








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