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持ち家購入の経緯


 これまで私は、キャッシュそのものか、キャッシュ・フローを将来的に生み出すものが「資産」と考えてきました。このように定義をすると、自家利用の新築住宅などというものは、間違いなく「資産」には該当しません。ただ、住宅を冷蔵庫やテレビと同様の「耐久消費財」と定義するならば、生活をしていくために必要な消費は「必要経費」として是認されることになります。

 現実問題として、私達が現在借りている転勤留守宅物件の優先賃借期間があと1年半に迫っており、その後は新しい住宅を探さねばなりません。特に幼子を3人抱え、これから20年弱はどうしても広いスペースが必要になります。
 また、私の妻は自宅でピアノ教室を開いています。結婚した当初は、自宅とは別の場所を借りて数十名に教えていましたが、今は子育て最優先、生徒数も絞りに絞って様々な方の協力を仰ぎながら細々と続けています。私としては、妻の自己実現のためにも、ピアノ教室をなんとかして継続させてあげたいと思っていますし、いずれ息子達が成長した際には、再び本格復帰したいと妻は思っているはずです。そのためには、どうしてもピアノが弾ける部屋(できれば防音室)が必要となります。この家族5人の居住スペース+ピアノが弾ける部屋という2条件を満たす設備を、マンションで実現するのはなかなか難しく、どうしても一戸建主体で考える必要があります。
 そうは言っても、現在の転勤留守宅のような「ピアノが弾ける部屋」を有していて、かつ、長期契約可能な質の良い借家(今の家はかなり手狭です。)を見つけるのはなかなか厳しいものがあります。ましてや、長男を転校させなくて済む同一小学校区で、かつ駅からの徒歩圏内(私の「遠距離通勤」を支える絶対条件)ということになると、物件発掘は本当に至難の業です。一時期いろいろ探してみましたが、やはりなかなか良い物件にはめぐり合えませんでした。

 私としては、「借家プラス資産運用」というのが、経済合理性と将来の不確実性(収入増減、勤務地の変化)の双方を考慮した場合、最も良い選択肢だと今でも思っていますが、上記の家族の事情を優先すると、必然的に中古物件、建売物件、新築戸建て物件といった「持ち家」を考えざるを得ないという状況になりました。

 そこでまず、近隣の不動産屋をあたって中古物件を問い合わせ、実際に売却対象となっている物件をいくつか見ましたが、どうにも受け入れられそうなものがありません。「日本の住宅の建物価値は20年でゼロになる」とはよく言ったもので、築20年を過ぎても、耐震設計に問題なく躯体もしっかりしているので、リフォームすればなんとかなるというようなバリュー物件は、そうそうありません。たまに良いなと思う築浅の物件を紹介されても、「駅から徒歩20分(実際歩くと徒歩30分)」といったものばかりでした。
 こういう場合、「マーケットに既に売りに出ている物件ではなく、条件の良い中古物件が出るのをひたすらじっと待ち続ける」というのが投資家目線では一番良い手なのだと思います。実際、私は前の住居に住んでいた時から既に3年近く、じっと近隣の中古物件を見てきましたが、なかなかこれといった良い物件が出てきません。そうこうしている間に家族は増え、子供達はどんどん大きくなってきて、家族みんなで川の字で寝るのは限界がきてしまいました(笑)。

 そこで、昨秋からは次善の策として、建売物件も見るようにしてきましたが、建売物件には、以下のような傾向が見られました。
 家族5人の広さを優先→駅から離れた郊外物件ばかり
 駅からの立地を優先→将来、売却が難しそうなミニ開発物件ばかり
 これもよく考えてみれば当たり前で、建売でよく売れる価格帯というのは、ほぼ決まっています。販売価格帯が決まっている以上、交通至便な地域では土地取得コストが高いので、小さな物件が主流とならざるを得ないのです。駅から徒歩10分圏内の人気の住宅地では、80坪の土地を4つに分筆して3階建てなんてものがたくさんあります。「これは本当に20年後に残存価格ゼロに近いだろうな」と思わざるを得ませんでした。いくら交通至便であっても20坪以下の土地になってしまっては、建築可能な建物が極めて限定されてしまい土地すら売りにくくなります。この結果、建売住宅も取得候補から消えて行きました。
 そして、最後にやむにやまれず考えたのが、土地購入による新築です。できれば避けたい選択肢ではあったのですが、駅から徒歩圏内の人気エリアで、ある程度の広さがある道路付けの良い土地を手に入れられれば、売却する際には、実需がある分、少なくともその時の土地の値段以上での買い手はつくだろうと考えたのです。この場合、建物相当額+地価下落分だけを耐久消費財として考えれば良くなります。売りにくい土地を抱えてしまう狭小建売物件よりは、有利子負債を多く抱えることになったとしても、こちらの方がいく分ましだろうと考えました。つまり立地条件が良い物件の中で以下の優先順位です。

築浅中古物件>土地付き新築物件>新築建売物件

 
ところが、この土地探しがまた曲者でした。

(つづく)

| cpainvestor | 06:44 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
通りすがりながら、お邪魔します。興味深く拝読しました。

私も同居人が鍵盤を弾き、外で教えています(個人ではなく音楽教室に所属)。自宅では教えていませんが、少なくとも演奏環境を整備したいと考え、「防音室付き賃貸」「賃貸に防音室設置」「中古一戸建てかマンションをリフォームして防音室」(マンションの場合、教室使用が許されるかどうか)「土地を探して新築」などを検討し、疲れ果てて中断しています……。

続編、楽しみにしています。
Posted by: holy_grail |at: 2010/11/05 2:23 PM
cpainvestor様

先日の名古屋ご出張の際にお時間をいただきました、三河の投機家です。大変お忙しい中にもかかわらず、貴重な話をお聞かせていただきまして、本当にありがとうございました。我家も、いろいろなご縁のなかで、10月末にスウェーデンハウスと契約を結びました。ロバート・キヨサキ氏や橘玲氏の著作の愛読者としてはいろいろと思うところも正直ございますが、家族の幸せを考えて決断いたしました。「家族持ちの投資家は、投資のみにて生きるにあらず。」と日々自分に言い聞かせております。今後ともよろしくお願い申し上げます。
Posted by: 三河の投機家 |at: 2010/11/07 5:42 PM
holy_grail様

コメント、ありがとうございます。同じ悩みを抱えていらっしゃる方が読者にいて、なんだかうれしく思います。これから契約までの顛末を書いていくつもりですので、もし参考になる記述があれば幸いです。
Posted by: cpainvestor |at: 2010/11/07 11:38 PM
三河の投機家様

先日は楽しいひと時をありがとうございました。

お互い、割高だとわかっていながら、家を建てざるを得ない苦しみを分かち合って生きてまいりましょう。ただ、「転んでもタダでは起きない精神」で削れるところは徹底して削りたいものですね。
Posted by: cpainvestor |at: 2010/11/07 11:41 PM








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