Entry: main  << >>
土地探し(その1)


  これから記載する内容は、これから住宅を持つことに関心を持っている方向けとして記載致します。不動産業界にいらっしゃる方には既知の内容かと思いますので、読み飛ばして下さい。

 
今の私の住まいは東京通勤圏の端(Door to Doorで職場まで70〜80分)にあり、自分の仕事の都合だけを考えると、どう考えても都内に転居した方が良いわけです。(唯一の救いは往復の電車が、座って通勤できるのでたっぷり読書&勉強&睡眠ができることでしょうか。)しかし、家族の事情や子供が育つ環境なども考え合わせると、結局、海と山に囲まれた現在の最寄駅付近で土地探しをするのが最善ということになり、駅から徒歩10分圏内にターゲットを絞り、土地探しを始めました。

 調べ始めてすぐにわかったのは、同じ徒歩10分圏内であっても繁華街がある駅北側と静かな住宅地である駅南側では、坪単価が20〜30%も違うということでした。更に、人気の高い南側でも、駅から海岸に伸びる広い道路を境に、東側の小学校区と西側の小学校区でこれまた10%程度は坪単価が違いました。

 最も人気のエリアは、駅の南西側、徒歩10分圏内の3つの町で、地元で古くから商売をしている不動産屋さんに確認したところ、このエリア限定で物件待ちをしている人が多数いるとのことでした。リーマンショックの前後で市内他地域はかなり大きく坪単価が変動したものの、このエリアに関しては、ほとんど値崩れしていないという話も聞きました。このエリアには古くからの住人も多く、なかなか良い物件が出ない上、東京、横浜などから予算内で一戸建が建てられる場所を求めて移住を希望する人も多いことから、常に「供給<需要」という状況が続いているようです。
 ただ、このエリアに全く空き地がないかというと、そうでもなくて、駐車場となっている土地がポツポツとあります。そういった土地を地図上で示して、「ここは売りに出ないのでしょうか?」と地元の不動産屋さんに聞くと、それこそ「この土地は先代が亡くなった後、兄弟が相続でもめていて決着がついていない。」ですとか、「地主である息子さんは東京で勤務医をしていて、いずれ引退して戻ってくるつもりなので、売る気がない。」といった実に多くの事細かな情報を教えてくれました。

 考えてみれば、地元に根を張る不動産屋さんや住宅建築業者さんにとっては、こういった売却可能性の高いエリアの不動産情報こそが飯の種であるため、しょっちゅう空き地の登記簿を見ては、持主に「坪○○円買い取りますけどいかがですか?駐車場管理を私のところにやらせてもらえませんか?」と電話をかけまくっているらしいのです。こうして足で稼いで情報を常にアップデイトしながら、次の好立地物件が出るのをじっくりと網を張って待っているわけです。(大手不動産会社の支店が定期的に担当替えを行い、「○○町にお住まいの方、物件を売却する際はお声掛け下さい!」というチラシをこのエリアに絨毯爆撃のように撒いているのとは対照的な営業スタイルです。)
 このエリアは地元の不動産会社が常に網を張っている状態ですから、まとまった面積の土地情報が出ると、そこそこ資金力のある地元業者は、媒介などは一切せず、すかさず自己資金で買い付けに行って、「自社建築条件付き土地」として分筆・販売を始めます(土地だけで売ることは少なく、建築条件を設定して、土地、建物建築双方で利益を回収するモデルです。もし土地だけ売って欲しい顧客がいれば、必殺「建築条件外し」で土地の仕入値に20%ぐらい手数料を上乗せして売却に応じるという感じでしょうか。)

 このような業界のカラクリがわかってくると、「なぜこの業界では、中小の事業者が生き残っていけるのか?」ですとか、「ネット上の不動産情報では、なぜなかなか良いものが見つからないのか?」といった疑問が自然と解消されていくことになります。

 不動産は情報が命であり、本当に良い物件は決してネットに出ることはなく、売主のほぼ「言い値」で決まっていく。

 
これが、この業界の真理なのかもしれません。

 これまで記載してきたように、同じ市内で駅から徒歩圏内の場所であっても、エリアによって坪単価に大きな差がある上、更に人気エリアの中でも、土地の方角(日照条件)、形、面積、周辺環境(小学校のレベルや公共施設の充実度、近隣住人の質など)、適度の広さの道路に隣接しているか否か、当該地域の建築規制がどうなっているか等の様々な要素により、土地の値段は全く変わります。この、「一つとして同じ商品はない」というのは、不動産(特に宅地)という商品の最大の特徴なのかもしれません。普段金融商品に投資をしている人間としては、「何て非効率な検索作業をさせられるのだろう!」と思わずにはいられませんでしたが、考えてみれば、このような非効率な市場だからこそ、ビジネスチャンスがあるということなのでしょう。

 「餅は餅屋」ということで、私もこういった情報を懇切丁寧に教えてくれた地元密着型の不動産屋さんのいくつかに何度か訪問し、希望物件情報他、職業、年収・家族構成など様々な個人情報を登録しました。予算規模や頭金の準備額などを聞くと、こちらの「本気モード」が伝わったらしく、その後、いくつかの不動産業者と物件情報の有無に関わらず、時々電話をくれる関係を築くことができました。私の希望エリアの物件探索包囲網は一応完成したわけです。

(つづく)

| cpainvestor | 23:14 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
お疲れ様です。
あまりにストレートな書きっぷりに、思わず読みいってしまいました。
僕もこれから、一軒家を探そうと思っていますので、参考になります。
Posted by: 矢向 |at: 2010/11/08 8:39 AM
矢向様

ご訪問ありがとうございます。
持家を検討される方の少しでも参考になればと思い、もう少し書き続けることに致します。

投資ブログがだんだん新築ブログにならないようにはしたいと思っていますが…。
Posted by: cpainvestor |at: 2010/11/09 7:49 PM








Trackback

Calendar

    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< June 2017 >>

Profile

来訪者数(11/18/07より)

クリックで救える命がある。

経済・投資情報


Shops

Oisix(おいしっくす)/Okasix(おかしっくす)

過去の人気エントリー

Search

Entry

Comment

Trackback

Archives

Category

Link

Feed

Others

Mobile

qrcode