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組織に過剰適合しないための7つの心得

 

久しぶりの更新です。考え方に共鳴する2冊の良書に出会いましたのでまずは紹介します。

 

米軍式 人を動かすマネジメント──「先の見えない戦い」を勝ち抜くD-OODA経営

 米軍の戦闘の主流は、この半世紀の間に、国家対国家の消耗戦から、国家対テロ組織の対ゲリラ戦/機動戦に移行しました。これに伴い、米軍、特に最精鋭部隊である海兵隊の戦略の立案、実行方式も、消耗戦を前提としたPlan-Do-Check-Actionの中央集権型スタイルより、ゲリラ戦、機動戦を前提としたObserve(観察)-Orient(方向づけ)-Decide(決断)-Act(実行)の現場裁量型スタイルがより重視されるようになってきたとのことです。

 本書の著者である田中先生は、ビジネスの世界においても同様の現象が起こっていて、変化の激しい業界ほど、従来のPDCAマネジメントだけでは対応できない場面が増えており、「個のタレント」や「現場の裁量」を生かすOODAマネジメントが有効であると主張されています。

 

シンプルに考える

 LINEの元社長であった森川亮氏も、その著書「シンプルに考える」で、「計画はいらない」「事務方はいらない」「仕組みでは成功できない」「ルールはいらない」「会議はしない」「情報共有はしない」など、徹底して、PDCAモデルの構成要素を否定しています。ヒット作品をコンスタントに生み出すためには、ユーザーファーストを徹底すること、優秀な現場のチームに判断と実行を任せること、結果を出した人が報われるようにすること、経営は現場のサポートに徹することなどの重要性がこれでもかというぐらい書かれています。

 

大組織でOODA対応人材を育成することの難しさ

 弁護士、会計士といった専門家業界も、本来は、一人一人のプロフェッショナルが「個」として自立していて、プロジェクトベースでコラボレーションをする、いわゆる「JAZZセッション型」の緩やかな連携が理想なのだと思います。

 ところが、私も2つのプロフェッショナルファームを梯子してみて痛感したのは、組織が大きくなり、個々人の所属期間が長くなればなるほど、OODAマネジメントが前提とする「個で戦える人材」が育ちにくくなってしまうというジレンマがあるということです。

 組織が大きくなればなるほど、仕事を「創る人」、「回す人」、「管理する人」が分業化して、各人が一連の経験を積むことが難しくなります。また、長く所属すればするほど、組織インフラの存在を前提とした「極端に専門化された業務」もしくは、「統括、管理、調整する業務」のどちらかを担当する割合が増えていきます。その結果、会社の言う通り、まじめに仕事をして15年も経つと、「所属する会社に極度に最適化された自分」になっていることに気が付きます。こうなると、会社と一連卓生、上りつめればつめるほど、少なくなっていくポストを目指し、組織の一機能として、走り続けるしかなくなります。

 こういうトレーニングをひたすら続けてきた中高年に「予算を渡すので、自己裁量で商売を創ってみよ」とあるとき急に投げかけてみても、たいていは機能しないのではないでしょうか。成熟化した業界の大組織ほど、OODAネジメントに適応できる人材は少ないように思います。

 

組織に過剰適合しないための7つの心得

 

 私の場合、最初に入れてもらった大組織が8年目に瓦解消滅したおかげで、「組織インフラを前提とした働き方の怖さ」を身に染みて感じることができました。転職して入った新たな組織でいつも頭の中にあったのは、「看板があることに感謝しつつも、いつでも飛び出せるよう、常に半身で自分の腕を磨き続けなければ」という危機意識でした。以下は、私がいつも考えていた「組織に過剰適合しないための7つの心得」です。

 

.團鵑農錣辰討い襯廛蹐鮓つけて、弟子入りして学ぶ
 大組織であっても、自分で仕事をとって自分中心で回している孤高の一匹オオカミ型の先輩は何人かいるものです。こういう方を見つけては、弟子入りして一緒に仕事を手伝い、そのスキルを徹底して盗むことを心がけました。

 

既存顧客・業務は極力人に任せて、自分は新規顧客・業務の開拓に集中する
 既存の重要顧客や業務を先輩から引き継ぐのは、出世への登竜門かもしれませんが、私はほとんどそういう場面に遭遇しませんでした(まあ、期待されていなかったのでしょう)。最初は骨が折れても、軌道に乗ってくれば自分のやりたいようにやれる新規顧客開拓、事業開発に極力エネルギーを傾けました。

 

A反テ發慮帖垢離廛蹈献Дトでは、常に元請けの立ち位置をめざす

 組織内で大きなプロジェクトを担当すればするほど、関係者が増えます。このとき、自分が元請け側にいるのか、下請け側にいるのかによって、得られる経験知は全く異なりますし、ストレスレベルも変わります。どんなに苦しくても顧客開拓をさぼらず、元請けの立ち位置で仕事をすることにこだわりました。

 

組織の主流派が本気で仕掛けている業務には手を出さない

  銑のようなことを会社の本業界隈で必死にやっていると、「あいつはわがままだ」と言われ、組織の様々な界隈から横やりが入るようになります。また、本業界隈には、ただでさえ社内の優秀な人材が集中することになるので、競争も激烈になります。無用なコンフリクトを極力避けるには、あまり人がいない分野に逃げるしかありません。

 

ニ楸箸蓮3〜5年で意識的に変えていく
 同じ業務を3〜5年も続けていると、どうしても緊張感が薄れ、新たな学びも少なくなります。これは、前の会社にいた時からそうでしたが、3〜5年おきに主体的に仕事の内容を変えて、「多能工的なスキル」を身に着け、新たなリレーション作りをすることを意識しました。私のいた組織は、自分で希望しない限り、定期的な人事異動がありませんでしたので、常に主体的に動くことを求められました。これはこれで良かったように思います。

 

Σ饉卅反コ阿離優奪肇錙璽を積極的に構築する

 30代も後半になってから、大学院に通いました。おかげで会社の昇進は遅れましたが、アカデミックな論文を根性で書き上げた経験と、社外の友人・知人ネットワークという財産が残りました。独立して最初にもらった仕事の一つも、大学院の友人経由でした。

 

Ц楜劼らの評価を最優先し、社内や上司の評価は気にしない

 同じお客様からリピートオーダーを頂けるかどうかということはものすごく気にしましたが、社内での自分の評価のフィードバックは極力気にしないようにしていました。これを気にしだすと、上記の1、2、4、5あたりは、あまり意味のない動きになるような気がしましたし、会社に対して不満が増えるだけのような気がしました。

 

 この「7つの心得」を実践することは、組織の一員としては、決して褒められるものではないのでしょう。ただ、組織に過剰適合しなかったおかげで、今もなんとか食べられています。

 この話をかつて会社員時代に部下や同僚に話したところ、半数くらいの方には「???」という反応を示されましたので、決して万人向けではないのだと思います。ただ、「自分の人生の主導権は自分で握りたい」と思っている方には、続けるのは非常にしんどいですが、実践してみる価値はあると思います。

| cpainvestor | 23:58 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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