(護衛艦いなづまの後ろに見えるのが戦艦大和が誕生したドック(現JMU呉事業所ドック)。筆者撮影。)
今年も残すところあと2日となりました。
心身共に健康で、今年も全ての業務を終えることができ、ほっとしています。
年末には、久しぶりに広島に家族旅行に行くこともできました。今回、子供達の要望で私も初めて、呉の大和ミュージアムに行きましたが、大人も十分に見ごたえのある圧巻の展示内容でした。ただ、何より驚いたのは、戦艦大和を生み出した造船ドック(写真上)が今も現役で、IHI(現ジャパンマリンユナイテッド)に引き継がれ、稼働しているということでした。現在は日本郵船の大型貨物船が建設中とのことで、その造船技術はしっかりと受け継がれているとのことでした。海運不況の最中ではありますが、知恵を絞って、何とか地場産業として生き残ってもらいたいと思います。
さて、この旅行の品川-広島間の新幹線での往復移動中、久しぶりにゆっくり読書をすることができました。前から読みたかったジャパネットたかたの創業者である高田明氏の「伝えることからはじめよう」を読んでみました。
皆さんご存知、佐世保のカメラ屋を日本有数のテレビショッピング会社にまで育てあげた創業者の一代記ですが、その個性的なキャラクターもあって、とにかく面白く、また、学びのある一冊でした。このぶっ飛んだ社長の下で薫陶を受けた若い社員の皆様は、苦労も多かったとは思いますが、しっかり食らいついていけば、相当鍛えられたのではないかと、著書を読んでいて思いました。
さすがにテレビショッピングの第一線で、常に数字と闘いながら、全国の顧客に商品を勧めてきた方だけあって、試行錯誤されてきたプレゼンテーションに関しては、とても含蓄のある言葉をたくさん書かれています。詳細は、本書をお読みいただくとして、私が非常に印象に残ったのは、「我見、離見、離見の見」という能の世阿弥の考え方を引用されていた箇所でした。
「我見」…舞台にいる演者が客席を見ている視点
「離見」…客席にいる相手が演者を見ている視点
「離見の見」…自分自身の姿を、離れた場所から客観的・俯瞰的に眺める視点
能で舞うときには、この「離見の見」で、「離見」に「我見」を一致させることが大切という教えだそうですが、高田氏はこれを自社のテレビショッピングにあてはめ、以下のように解釈されています。
「我見」…売る側が書品の特長や性能を説明して「これいいでしょう」と一方的に購入を勧めている
「離見」…テレビを見ているお客様の生活シーンを創造して「こんなふうに使うといいと思いませんか」と相手の立場で提案できる
「離見の見」…「離見」で気づいたことを、どのように伝えればお客様の心に届くか、伝え方の方法までを考えることができる
「相手が自分を見ている目線で自分を眺めてみる」、商売においても、プレゼンにおいても、こうした基本が何より大切だという高田氏の指摘は頷けるものがありました。
まるで、高田氏の面白い講演を聞いているようなお勧めの1冊でした。皆さんも年末年始のお休みにぜひどうぞ。
良いお年をお迎え下さい。
(海から見た厳島神社。筆者撮影)
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