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ROICシリーズ 仝亀い幣売業
  
  古くからの継続読者でいらっしゃるバリュー投資家の皆さんのお役に立つよう、これから、時々、ROICスクリーニング指標を使って、経営効率の高い企業の特集をしていきたいと思います。(1銘柄だけ採りあげると、なんだか推奨しているようにとられると困りますので、複数銘柄とします。)

  今回、3月決算が取り込まれたということで、久しぶりに会社四季報CD-ROMを購入したので、私が「事業の筋が良い会社」を見つけるためによくやるスクリーニング手法で、「少子高齢化マーケットでも元気な小売業」をピックアップしてみました。スクリーニング条件は以下の通りです。

擬似ROIC=営業利益×60%/(流動資産−流動負債+固定資産)
株主資本比率=株主資本/総資産>0.4
営業利益>1,000百万円

  小売業上位15社の結果は以下のようになりました。

 元気な小売業
  
  以下、順に簡単に解説をしていきましょう。

アパレル関係専門店(6社)
ポイント、ABCマート、パル、ハニーズ、ファーストリテーリング、京都きもの友禅
  アパレル商品はもともと粗利益率の高い商品であることもあって、多くの企業がランクインしていますが、とりわけ多いのが、ファーストリテイリングに代表されるような、一般消費者向けにカジュアル衣料の製造小売業態(SPA:Speciality store retailer of Private label Apparel)でしょうか。定番の衣料品を自ら企画し、中国の協力工場で品質の良いものをできるだけ安く生産させた上で、自らの店舗網を使って大量に売りさばくモデルです。昨今の物価上昇もあって、ファーストリテーリングやハニーズの業績も盛り返しているような報道もあったように思います。
  アパレルはアパレルでも少し変わったところでは、京都きもの友禅が挙げられるでしょう。この会社のビジネスモデルはとても面白いです。一見、着物という需要が減退していく一方の商品を扱う地味な小売業に見えますが、DMの発送から、集客、成約までのプロセスなどを聞くにつけ、「マーケティング調査会社」と言った方が良いかもしれません。調べ甲斐のある会社ですので、ぜひ皆さん自身で調べてみてください。

飲食チェーン(2社)
サンマルクHD、プレナス
  居酒屋やファミレスではなく、カフェとほかほか弁当のフランチャイズビジネスがランクインしているところが良いですね。
  原価率が比較的低く保存もきく「冷凍焼き立てパン」が売りのサンマルクのレストランやカフェは私も良く利用するのですが、本当によく仕組み化されたローコストオペレーションに感心します。明らかに高校生と思われるコック帽をかぶったアルバイトさんが、焼き立てパンを持って来ると、つい手にとってしまいます。郊外のサンマルクのレストランは、「ピアノの生演奏などもあるちょい高めのファミレス」という感じのコンセプトですが、平日の昼間であっても有閑マダムで満席です。「割安かつちょっとした高級感」が受けているのかもしれません。
  ほかほか弁当も多くの「サラリーマンの友」なのではないでしょうか。こちらのフランチャイズも最近仲間割れがあったようですが、主婦のパートさんを徹底活用したテイクアウトのローコストオペレーションモデルを提供しているように思います。こちらの立地は必ずしも目抜き通りの一等地でなくても良いこともあり、資本効率が良いのでしょう。

食品スーパー(2社)
アオキスーパー、大黒天物産
  この2社に限らないと思いますが、集中出店で田舎のマーケットをがっちり握っている必需品提供企業は強いんです。アオキスーパーは愛知県西部でNo.1、大黒天物産は岡山でNo.1のポジションを築いている典型的なオーナー企業です。この2社は、それぞれのテリトリーでショッピングセンターなどにも事業を広げているようです。
  「強烈なオーナーのリーダーシップ」、「徹底したローコストオペレーション」、「地域を知り尽くしたドミナント出店」の三本合わせ技となると、恵まれた都会のマーケットから資本力だけにモノを言わせて進出してきたサラリーマン企業程度に簡単に負けることはありません。「地方豪族企業の底力」恐るべしです。

ドラッグストア(2社)
サンドラッグ、スギ薬局
  日用品を扱う小売専門店で最も元気があるのは、何と言ってもドラッグストア業界ではないでしょうか。入口ドアが閉まらないことを当然として、道にはみ出す形で特売商品を並べまくって、POP広告を貼りまくり、なんとかお客を引き込もうとする商魂のたくましい陳列手法にいつも感心させられます。都会型店舗でつい、階段脇にある商品を眺めていたら、そのまま化粧品コーナーに誘導された女性の方も多いのではないでしょうか。

特色ある雑貨小売(2社)
良品計画、ヴィレッジヴァンガード
  「無印良品」、「本屋だか雑貨屋かよくわからないお店」、共通するのは、「とりあえず行くだけでいつも新しい発見があり、楽しいお店」というコンセプトではないでしょうか。先週の日経ビジネスにも特集されていましたが、個性が重視される「無印良品の店舗」で、あえて徹底したマニュアル整備とその定着化を図ることで、店舗の競争力を回復した「無印良品」には、ぜひ、その「ノウハウのさらなる世界展開」を進めてもらいたいと思います。「無印良品」のコンセプトとそのオペレーションの海外展開が今後加速化されていくようであれば、「日本発の世界小売業」として、まだまだこの会社に成長余地があるかもしれません。

ネット通販(1社)
アスクル
  言わずとしれた文具ネット通販の草分けですね。「カウネット」や「たのメール」の追撃をかわし、これまでかなり順調に成長しています。取り扱い商材はどんどん拡大しているようですが、立派な物流センターが完成し、オペレーションの基盤が整った今、次はどんな商材をアスクルのプラットフォームに乗せるのか、興味深く見守りたいと思っています。

  小売業はとかく資本効率が悪く、付加価値が生み出しにくいビジネスであると言われます。ただ、そういう業態の中でも、知恵を絞って、汗を流して効率の高いビジネスを行っている会社がいくつもあります。こういう会社に日頃から目をつけておいて、「暴落時の買い」や「世界展開開始時の買い」を入れるのも悪くないかもしれません。


  個人的には、「京都きもの友禅」の「割安な振袖」を、その類稀なるマーケティング能力を使って世界に広めてもらいたいところです。外国人には、あの「うなじ」の色香がわかりませんかねえ・・・(笑)。
| cpainvestor | 07:38 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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