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米国金融再編と「潮目の変化」
 
 ファニーメイとフレディマックへの政府支援の発表以降、米国金融界が慌しくなってきましたね。バンカメによるメリルリンチの買収、リーマンブラザーズのChapter11申請と週末にビッグニュースが二つ飛び込んできました。

 日本の不良債権問題とは、その規模と影響力、スピード感などが大きく異なるとはいえ、「不動産価格の下落が資金の借り手の懐を直撃し、それがローンもしくは証券化商品の価値劣化を生み、債権者たる金融機関の信用不安、貸し渋り、倒産が起こる・・・」というシナリオは、多くの日本人にとって既視感があるのではないでしょうか。

 日本の不良債権問題の経験がどこまで生かせるかはわかりませんが、この先の米国経済の展開を予想する上で、何らかの示唆は与えてくれそうな気はします。

 私が就職した1998年は、日本の大きな金融機関がいくつも破綻した年でした。そして破綻した金融機関の営業財産は、それこそ「まとめて二束三文」で当時は聞いたこともなかった外資系ファンドに買いたたかれていきました。入社早々、大型金融機関の破綻時の財務調査に駆りだされた時は、恥ずかしながら、「なぜこんなオンボロ会社を買うのか?」まったく理解できませんでしたが、今なら当時よりはその意味がわかるような気がします。

 重要なのは、「なぜ当時こういった案件を買えたのが外資系ファンドだったのか?」ということなのだと思います。私なりに推測する理由は以下の通りです。

外資系ファンドには、何より「入札に参加できる資金」があったこと。

 当時、不況と業績不振に苦しむ日本の金融機関はどこも財務体質が悪化しており、残念ながら買収資金を出せるだけの経営体力がありませんでした。この点、外資系ファンドは、「今が日本への投資の好機」と判断して積極的に資金を投下してきました。当時お客様だった投資ファンドのマネージャーの言葉を今でも思い出します。「俺は本国から、今年中に日本で最低でも○十億投資しろ!というミッションが課されている。どんな案件でも話があったら、紹介して欲しい。」

外資系ファンドには、貯蓄貸付組合の破綻等で不良債権問題を経験していた上に、日本市場に何のしがらみもなかったことで、ゼロベースで投資対象を評価することができたこと。
 インサイダーとして、不況のまっただ中にいると、どうしても悲観的な見通しのバイアスがかかってしまう上、過去のしがらみ等でドラスティックな事業リストラなどは行えなくなります。外資系ファンドには、そのような制約はなく、ゼロベースで投資対象を合理的に評価することができました。もちろん、本国で多くの不良債権問題に対処してきた経験も、リスクテイクする上では大いに役立っていたはずです。

経営不振に陥った日本の金融機関から流出した優秀な人材が外資系に多く流れ、投資の最前線を支えるローカル人材がそろったこと。
 当時は、大手金融機関の破綻や経営不振が深刻化したことで、多くの優秀な人材が労働市場に流出しました。この人材が外資系ファンドやアドバイザリー会社に流れ、日本国内の不良債権や破綻企業の買収ビジネスを支えました。

 このように考えてみると、米国金融市場の「次のメインプレーヤー」が誰なのか、段々と推測できるような気もします。
 
 株式投資でパフォーマンスを出すには、どの銘柄に投資をするかということと同じか、それ以上に、どの時期にどの市場に投資をするかということも大事なのだと思っています。私はそのことを中国株投資で学んだようにも思います。

 ,垢阿謀蟷颪任るキャッシュを確保し、∩芦鵑瞭本の金融危機の経験を十分に意識しながら、E蟷颪箚覿畔析のスキルを磨き続け、虎視眈々とセリングクライマックスと「潮目の変化」を見極め、チャンスをうかがう。

 そうありたいものです。
| cpainvestor | 20:31 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
就職年、同じです。

>「俺は本国から、今年中に日本で最低でも○十億投資しろ!というミッションが課されている。どんな案件でも話があったら、紹介して欲しい。」

強烈な思い出ですね・・・
今の米金融機関を買える体力のある会社ってあるんでしょうか?

私はアクティブ投資はやめましたが、パッシブ投資でも狼狽売りしたくなるくらいすごい相場です(私も残ってた昔のポジションを損切りしました)。
Posted by: la dolce vita |at: 2008/09/18 6:02 PM
la dolce vita 様

そうですか。同年度就職ですか。
「氷河期世代」は、他の世代より、「リスクに敏感なのでは」と思うのは私だけでしょうか。

投資とリスクアンテナだけは、はりめぐらせておきたいと思っています。
Posted by: cpainvestor |at: 2008/09/22 12:36 AM








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