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永遠の0

 友人に勧められたので、年末年始の話題作、「永遠の0」を見てまいりました。累計発行部数450万部を超える大ベストセラーの映画化だけあって、キャストは脇役も含めて豪華メンバー、製作委員会も東宝・電通・アミューズ・講談社・朝日新聞社などそうそうたる顔ぶれ、監督・脚本は「ALWAYS三丁目の夕日」山崎貴氏、音楽は「ハゲタカ」の佐藤直紀氏など、まさに日本映画界の総力戦といっても良い布陣です。

 戦争モノとなると必ず問題となるのが、海戦・空戦をどう撮るのかということなわけですが、CGと実写を組み合わせたVFXという手法で描かれた空母赤城や機動部隊の海戦シーン、零戦の空戦シーンは見事で、まさに大画面映画にぴったりの迫力でありました。特に、ミッドウェー海戦で、わずか数発の爆弾で赤城が大爆発するシーン、いわゆる「魔の5分間」は戦史マニアにはたまらない情景描写でございました。このVFXを手掛けたSHIROGUMIというプロ集団、ただものではありません。
 
 ストーリーはネタばれになるので原作を読んでいただくとして、まあ600頁にもわたる大作の本筋をはしょることなくよく2時間強でまとめあげたなと感心しました。ジャニーズ系のイケ面すぎる俳優はともかくとして、役者の演技もまずまずだったと思います。

 それにしても、空母を中心とした機動部隊という革新的なコンセプトを打ち出しながらも、爆弾数発で沈んでしまう弱い防御設計、熟練パイロットを簡単に死なせてしまうなど、旧日本海軍のアンバランス感は半端ないです。戦中に就役した空母などは、暗号が解読され、あるいはレーダーで補足され、そのほとんどが初戦を迎える前に潜水艦に沈められています。どうしてここまで情報とか兵站を軽視したのだろうかと、映画を見ながら、改めて考えてしまいました。
| cpainvestor | 06:11 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
読書の秋

 ふだん忙しくて、なかなか仕事に関係ない本を読む時間がとれませんが、ここのところ出張が続いたため、久しぶりに長い移動時間が確保できました。前からずっと気になっていた本屋大賞のベストセラー作品、「天地明察」と「海賊と呼ばれた男」ようやく読み切ることができました。

「天地明察」



 江戸時代の「改暦」というマニアックな事業を成し遂げた渋川春海という囲碁侍をテーマにした小説ですが、抜群に面白かったです。時代小説というと、戦国や幕末の英雄、その参謀などが書かれることが多いわけですが、天下泰平となった江戸時代の一学者をとりあげ、そこに同時代の傑出した数学者、関孝和をからめたストーリー設定は見事という他はありません。また、男子理想の「ツンデレヒロイン」もお約束のように登場し、恋愛をからめるあたりは、小説の王道といえます。
 それにしてもすごいのは、冲方丁という作家の圧倒的な知識量です。この小説を読むだけで、江戸時代の世相や数学・天文学のレベル、神道や陰陽師の歴史、当時の政治体制など膨大な量の知識が入ってきます。この小説を書くために、どれだけの時間を文献収集や取材に費やしたのか…想像を絶します。これぞ「プロの物書き」の真骨頂を見た気がしました。

「海賊とよばれた男」



 こちらは出光興産の創業者、出光佐三をモデルにした歴史時代小説で、どこの本屋の店頭にも置いてある大ベストセラーです。ずっと読みたいと思い、部屋の片隅に積んであったハードカバーをようやく開けたら最後、こちらも止まらなくなりました。
 ベールにつつまれた未上場の豪族大企業というのは日本にいくつかあって、出光興産も数年前までその中の一つであったと記憶しています。出光の独特のカルチャーに関しては、新人の頃、業務で訪問していた石油業界の会社でよく聞いていました。「大家族主義」「定年なしの終身雇用制」「タイムカードなし」といった企業風土がどうして生まれてきたのか、この小説を読むとよくわかる気がします。
 戦後の難局を乗り切った出光興産は、出光佐三のカリスマリーダーシップで大きく事業が拡大、その路線を継承した同族社長達も、猛烈営業スタイルを貫き、1990年代半ばには販売量で石油元売業界のトップに立ちます。
しかしながら、その後石油内需が飽和化して競争が激化していく中で、積極的な設備・事業投資が裏目に出て、過大な有利子負債を抱えた出光興産は経営危機が噂されるまで業績が落ち込みます。
 このような状況下のもと、初めての非同族社長として選任された天坊氏は、経営改革を断行、創業家を説得して上場に踏み切り、今の出光興産があります。このあたりのバックグラウンド情報も意識しながら、「海賊とよばれた男」を読むと、また味わいが変わってきます。

 最近、ちょっとした隙間時間には、ついスマホなどでまとめサイトなどを読んでしまうことが多かった自分ですが、大作を2つほど読んで改めて「プロの書く活字」を読むことにもっと時間を使った方が良いと思うようになりました。 Kindle Paperwhite も購入したことですし、この秋は良書と思われる仕事と関係ない本をもっと読みたいと思います。
| cpainvestor | 16:46 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
おひとりさまの古都散策
 

化野念仏時
 

奥嵯峨あだしの念仏寺の竹林 筆者撮影 
  
 

 

 仕事柄、日本全国各地への出張は多い方だと思いますが、月曜火曜と久しぶりに、京都・奈良方面におうかがいしてきました。当初予定していたアポイントメントが急遽キャンセルとなり、半日ぽっかりあいたこともあって、久しぶりに京都嵐山方面をレンタサイクルを使って散策してみました。先日の台風の影響を心配していましたが、私が見たところ、片付けはもう済んだようで、嵐山は「紅葉シーズンいつでも来い」という臨戦態勢でございました。

 私の場合、平日の昼間に古都を散策できたのは役得であるとはいえ偶然の賜物ですが、こういう時間に大覚寺や天竜寺を訪ねると、日本の「金持ちならぬ時持ち」が誰であるかということを実感させられます(高齢者向けの年金・医療費、もう少し削減しても大丈夫なのではないでしょうか・・・)。
 平日の昼間、時間が自由になるのは、やはり中高年であり、しかも圧倒的に女性です。いかにもフルムーン旅行という老夫婦は少なく、元気な中高年の女性グループが幅を利かせています。男性にとっては夢も希望もない話ではありますが、定年後に女房と二人で仲良く旅行などというのは幻想であることがよくわかります。
 それから次に勢力を誇っているのは、なんといっても中国・香港・台湾と思われる中華圏の観光客です。どこの名所旧跡を訪ねても中国語が聞こえますし、ちょっとした観光名所なら、案内係にも中国語を話せる方がいたります。びっくりしたのは、京都アパホテル、奈良スーパーホテルの大浴場の中で聞こえてくる会話の中心が中国語だったことです(笑)。古都の観光産業も今や、アジアからの旅行客を抜きにしては成り立たない状況となっているのではないでしょうか。
 ついでにもう一つ気になったのは、意外と「おひとりさま」の旅行客(目的は違うものの私もそうですが…)が相当数いるということです。ビジネスホテルで朝食を食べていると、いかにも観光目的と思われる男性、女性が、お一人で食事をされているケースを多数見かけました。日本国内では、既に家族世帯数より単身世帯数の方が多くなっているとどこかの新聞の記事で読んだ記憶がありますが、レジャー産業においても「おひとりさま消費」の時代が到来しているのかもしれません。
 「おひとりさま旅行客」にとって、豪華な夕食付の温泉旅行プランや、高級シティホテルへの宿泊は過剰サービスであり、宿泊&朝食だけに絞ったシンプルなサービスを割安価格で提供するビジネスホテルは宿泊場所としてまさにうってつけということなのでしょう。

 いつ来ても思うのですが、アパホテルとスーパーホテルの効率的なオペレーションには惚れ惚れします。これは地場のビジネスホテルが壊滅するわけです。

.船Д奪イン業務を省くための事前決済を促す宿泊料金体系
▲ードキー、もしくは番号キーを用いた施錠管理
「エコ」を旗印に押し立てることで、宿泊客に節水、節電、節トイレットペーパー、連泊清掃不要を強力に促すしかけ
し搬單渡箪衢を前提にした館内電話の廃止
テ持ちする原価の安い食材しか使わないシンプルな無料朝食サービス
μ欧襪海箸世韻卜賄世鮹屬い申録腑泪奪肇譽
Ф肪爾望さなユニットバスを用意して大浴場を使うよう仕向ける仕組み
┘船Д奪アウト業務を不要とするしかけ

 オペレーション上の工夫を挙げればきりがありませんが、両社のホテルは「出張客にとって必要最低限のサービススペックは何か」という視点で、ムリ、ムラ、ムダを徹底的に省いてできあがった究極の宿泊業態であるといえます。これが結果として「おひとりさま観光客」にも受けています。いずれ各地の有名温泉地の旅館がアパホテルやスーパーホテルにとって代わられる状況が起きてくるかもしれません。

 あとは、アパホテルには、室内に備え置かれたよくわからない書籍を廃止してもらい、スーパーホテルには、景観を無視したサラ金会社のような看板デザインを一新してもらえれば、言うことなしなのですが。
 

比叡山を望む

大河内山荘庭園より比叡山を望む 筆者撮影

| cpainvestor | 00:42 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
両極端のコンセプト


 あまり物欲はない方ですが、最近購入したもので、「これはなかなかの逸品」というものがいくつかありましたのでご紹介します。

意外な組み合わせシリーズ

1.水泳用ウォークマン
 私が定期的にやっている運動は、近所のスポーツクラブでの水泳ぐらいなのですが、これまでプールの中にいる1時間弱は、景色や音楽が楽しめるわけでもなく、とても退屈でございました。それが、このソニーが出した新しいウォークマンを購入したおかげで、とても楽しい時間に変わりました。
 スイマー(しかも淡水専用)向けというえらいニッチなマーケットを狙った商品だったのかもしれませんが、最近では、屋外を走るランナーの皆さんにも愛用されているようで、かなり売れているようです。その軽さといい、手軽さといい、久しぶりにソニーの「ユニークネス」を感じられる商品です。私がスポーツクラブで見ていても、4〜5人に1人は持っているようなヒット商品になっています。

2.海上自衛隊の歌姫 「祈り」
 既に国内のクラッシックCDの販売部門で第1位となっているようですが、自衛隊唯一の歌姫、三宅由佳莉3等海曹のアルバム、私も購入してしまいました。自衛隊や警察の音楽隊というと、マーチングバンドのイメージが先にきますが、ここにソプラノ歌手一人が加わっただけで、これだけ楽曲にバラエティが生まれたのは大成功でしょう。三宅さんも素敵な方ですが、ソプラノ歌手として超一流なわけではありません。自衛官ソプラノ歌手×実力派音楽隊というこれまでなかった組み合わせが新鮮で、この組み合わせで坂の上の雲のテーマ曲だった「STAND ALONE」などを歌われると、マニアにはたまらないのかもしれません。
 個人的には、この宇宙戦艦ヤマトのコーラスもたまりません。

 この1.2の商品は、これまでになかった「意外な組み合わせ」で新たな市場を創造した例でしょう。市場の創造に必ずしも最先端のテクノロジーは必要なわけではないことがよくわかります。

原点回帰シリーズ

3.無印良品オーガニックコットンの長袖Tシャツ
 10月に入って、朝夕は少し寒くなってきました。この時期になるとさすがにTシャツで眠るわけにもいかず、長袖シャツが恋しくなります。ユニクロなどに見に行くと、HEATTECH万歳という売り場になっています。このHEATTECH、確かに保温性は抜群ですが、肌着として直接着るには、着心地があまり良くありません。そこで無印良品にも見に行ったところ、こちらの店頭には、「MUJILabo」と銘打ってオーガニックコットンのシンプルな長袖シャツが多数展示してありました。試しに1着購入したところ、すこぶる肌触りが良いので、日を改めて追加で3着大人買いをしてしまいました。その結果、ほぼ毎晩お世話になっています。まさに無印良品らしい商品で、直近の業績が極めて好調なのもよくわかります。

4.ツバメノート「Thinking Power Project」+オリジナルノートカバー
 商売道具でもある文具にはかなりこだわりを持ってマニアを自負している私ですが、これまで職場で使うメモ用紙は、ITOYAオリジナル A4リーガルパッドを永く愛用してまいりました。これをSOMESサドルのレポートフォルダに入れて、ここ5年近く使ってきたのですが、さすがにこのレポートフォルダがくたびれてきました。そこで、もともとはレポートフォルダの更新を考えていたのですが、定期巡回していたLOFTの文具売場でこのツバメノートを見つけてしまい、その書き味の良さに一目ぼれして、メモ用紙そのものの乗り換えを決めました。
 これまでのA4リーガルパッドの場合、打ち合わせが終わるごとに紙面を切り離して案件別にファイリングしていたわけですが、これだと用紙の裏面が使われることが少なく不経済な上、切り離した頁をファイルし忘れて逸失してしまうことが何度かありました。
 そこで、いっそのこと切り離さずにメモはメモだけで管理するノート様式もいいかと考えていたところ、このThnking Power Projectシリーズが目に入りました。このシリーズのノートは、必要に応じて頁ごとに切り離せるようミシン目が入っており、しかも切り離した頁がちょうどA4用紙サイズになるよう、ノートが少し大きめに設計されています。
 この商品、老舗のツバメノートの他社コラボレーション企画のようですが、使えば使うほど気に入ってしまい、ついには、前のSOMESのようなノートカバーが欲しくなりました。ところが、サイズが特殊だけに良いノートカバーがネット上では見つかりません。そこで、勢い余って、このサイトでオリジナルサイズのノートカバーを注文してしまいました。そして待つこと3週間、牛革ソフトシュリンクの素晴らしいノートカバーが届き、メモをとるのがますます楽しくなりました。

 この3.4の商品は、まさに各々の販売元の特徴を最大限生かした「原点回帰」の例でしょう。長袖シャツ、大学ノートといったよくある日用品ではありますが、ユーザーの使用場面を想像し、その使い心地に徹底的にこだわっているので、プレミアム価格での提示をされても喜んで購入したくなります。こんなところにも市場創造のヒントはあるのでしょう。

 「意外な組み合わせ」と「原点回帰」、まさに両極端のコンセプトではありますが、そうであるが故に、新たな顧客のターゲティングができたということなのかもしれません。商売のヒントはこんなところにありそうな気がします。

| cpainvestor | 00:53 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
「外れ値」かもしれませんが、「まぐれ」ではないです


 久しぶりの更新です。

 相場が高くなってくると、「私は株で●億円儲けました!」という本が書店に並ぶようになります。「年収300万円、掃除夫の僕が1億円貯めた方法」もその類の本と言ってしまえばそうなのかもしれませんが、著者自ら「私の手法をそのままマネするのは危険で使えませんし、この手の本が出版される頃が、相場の天井かもしれません」的な自虐コメントを、これから売ろうとする本の冒頭に持ってくるのは、さすがはwww9945さんらしく好感が持てます(笑)。

 さてこの本は、個人投資家のwww9945さんが、ご自分の株式投資との出会いから、運用資産1億円超を築き上げるまでの悪戦苦闘の歴史を振り返ったものですが、「本業:株式投資家、副業:掃除夫」という本人にとってのベストポジションに行きつくまでの紆余曲折がおもしろおかしく書いてありまして、移動の新幹線で笑みをこらえながら一気に読んでしまいました。
 もちろん、通読すると、株式投資の入門知識となるような事項が一通り習得できるような構成にもなっており、著者ならではのユニークな文体を生かしつつも、「中身ある書籍」を作ろうとする編集者の腕と良心を感じさせる出来栄えとなっておりました。本業以外に自分の資産にも働いてもらいたいと考える投資初心者の皆さんに、「そんな甘くはないよ。でも、よく学び、試行錯誤することをやめなければ、結果はついて来るかもよ。だからやってみれば。もう少し株価が下がった時に。」と思わせる良書だと思います。

 私は、個人的にもwww9945さんと時折食事を共にさせてもらっていますが、彼の投資全般と個別銘柄に関するマシンガントークには毎回圧倒されますし、どんな時事ネタでも最後は国内・海外の個別銘柄に結び付けてしまう強烈感度のアンテナにはいつも感心させられます。また、書籍に記載のあった、「池袋の街角ウォッチングから有望銘柄を見つけ出すボトムアップアプローチ」は、まさに「素人には見えないものが彼には見えている」という意味で、投資家としての目利きの真骨頂を十分に発揮しているといえるでしょう。その意味で彼の投資パフォーマンスは、統計上の「外れ値」かもしれませんが、決して「まぐれ」ではないことだけは確かです。

 彼はよく、「掃除夫年収3百万円ですから…」とご自分のことを謙遜されますが、あの「強烈アンテナ」、「目利き力」、「リスク嗅覚」をもってすれば、この先も十分食べていけるでしょうし、年収10百万円超でも組織内でのポジショニングばかり気にしている大企業サラリーマンよりずっとサバイバル能力は高いと私は思います(本人は一緒にされることすら心外でしょう。www9945さん、ごめんなさい)。これから社会に出る大学生などには、下手な業界研究就活セミナーより、彼の事業目利き力&サバイバルセミナーを受けさせた方がよほどためになるのではないでしょうか(タバコとかギャンブルとかアルコールの会社への入社ばかり勧められそうなのが、若干心配ではありますが・・・)。

 この本を読んでいて一つだけ心配な点があるとすれば、現在の運用資産規模になっても、彼は資金をタイトル通り「貯めて」はおらず、「ほぼフルインベストメント」で攻め続けており、彼の生来のギャンブラー体質を抑え込める女房役がいらっしゃらないことでしょうか。
 余計なお世話かもしれませんが、「守るべきパートナーや家族」をお作りになることが、この課題に対する一番の処方箋になるような気がしますので、そろそろ異性方面のスクリーニング閾値は少し下げて、案件発掘に勤しまれることを、今度お会いした時には、お勧めしたいと思います。

 www9945さん、また一緒に飲みましょう。ご指導をお待ちしております。

| cpainvestor | 18:33 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
葛藤


 身内に不幸があってから、はや2ヶ月が過ぎようとしています。猛烈な量で押し寄せて来る仕事を打ち返しながらここまで突っ走ってきましたが、当然そのほころびはいろいろなところに出てきています。
 

 「もうここで十分、階段を降りるべきだ」という声と「ここまで来たのだから、もう少しがんばるべき」という声が自分の中で交錯しています。


 そんな状況ではありますが、今年も年初に引受けた日経セミナーの時期がやってきました。今年は、8月26日、27日の2日間に渡って、企業分析と価値評価の基礎をみっちり解説します。ここ数年あまりに短い時間の1日セミナーで受講者の満足度を十分に高めることができず、私自身フラストレーションがたまっておりました。

 今年は2日間もらいましたので、M&Aの最前線にいる実務家ならではの知見を織り交ぜた講義と演習を行いたいと思っています。組織のためではなく、自分の今後のために、バテ気味の心と体に鞭打ってがんばりますので、ご興味のある方は奮ってご参加ください。今年は、個人投資家の皆様にも参考になるお話も混ぜていきたいと思っています。

| cpainvestor | 00:54 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
休息


母を亡くして、1週間が経ちました。

家族全員で最期を看取ることができたのが、せめてもの救いでした。

心に空いた大きな穴が埋まるまで、こちらはしばらくお休みさせていただきます。

| cpainvestor | 23:56 | comments(3) | trackbacks(0) | pookmark |
抽象と具体の往復運動

 

 今春卒業した大学院の授業の中で、最も面白かったのが、楠木先生の競争戦略論でした。「ストーリーとしての競争戦略」ですっかり売れっ子作家になってしまった感がありますが、講義を受けていて、学者さんというより一流のエンターテイナーだと感じました。楠木先生は、若かりし頃に場末のスナックでボーカルとして歌っていた経験もあるそうで、個々の会社のユニークな競争戦略を、誰もが聞きたくなる物語に落とし込んで、わかりやすいメッセージとして伝えるプレゼンテーションは、毎回とても面白く、私個人的にはそのプレゼン手法そのものも非常に勉強になりました。

 最近、楠木先生の新著「経営センスの論理 」を読みましたが、こちらも楠木先生の講義の続編を聞いているようなエッセイ集で、新幹線で移動中の清涼剤として楽しませてもらいました。この新書の出版社が「経営センスの論理」などと名付けるから「経営センスなぞどこにも書いてないじゃないか!」といった変な書評がWEBに出るわけで、「楠木漫談炸裂!」とでもしておけば、何の問題もなかったでしょう。読み物としての付加価値ば別として、おそらく日本の経営学者で、読者が腹を抱えて笑える文章を書けるのはこの方だけではないでしょうか。

 この本に載っている話で、私が受けた講義中にもたしか解説があり、非常に印象的だったのが、「地頭の良さ」に関する楠木流の定義です。楠木先生は、「地頭の良さ」を「抽象と具体を行ったり来たりする振れ幅の大きさと、その往復運動の頻度の高さ及びスピード」と定義されていますが、私もこの定義を聞いた時には、まさにそのとおりだと思いました。

 いわゆる「できる方」の思考法はどこか共通していて、具体例を抽象化して捉えて応用しようとしますし、抽象的なコンセプトから具体的な解決策を導こうとします。例えば、ビジネス上のミーティングなどでは、具体的で詳細な論点ばかり並べる残念な方の話には、「で、何が言いたいの?」、抽象的な論点ばかり並べる残念な方の話には、「で、明日からどうすればいいの?」と、皆がそれぞれに突っ込みを入れたくなるはずです。その点、誰もが「この方、やるな」と認める方は、重要なコンセプトから入っていって、きちんと具体的な施策に落とし込んだり、具体例からうまくエッセンスを抜き出して自分に合う形にカスタマイズするスキルが秀でていて、しかもそのバランスが絶妙であるように感じます。
 こういった能力がどのようにすると身につくかは不明ですが、楠木先生の言うように、そういうセンスのある方を早く見つけ出して組織内部からは放り出し、まずは小さなチームを丸ごと任せて鍛えるというというのが、組織を任せるプロ経営者育成の早道なのかもしれません。

 私が最近思いきり笑ったこの動画を見て、清水ミチコさんという方も抽象と具体の往復運動が頻繁にできる「地頭の良いプロフェッショナル芸人」だということを痛感いたしました。さすがにこの業界も息の長い方は突き抜けてます。この方のライブ行きたくなりました。皆さんも気分転換にどうぞ。

| cpainvestor | 23:57 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
景気回復の足音

 最近、身近な生活の中でも実体経済が明らかに良くなっている傾向を感じる場面が多くなってきました。

銀座のワインバー
 先日おうかがいした、銀座の高級ワインバー、私は投資家の皆様との交流会でしたが、まわりは、お姉様と中年男子の同伴ばかり。水曜日だというのに、それなりに客が入っていました。高額消費は明らかに増えています。

住宅販売
 近隣で、駅近ではあるものの、やや立地に難がある宅地群が売れはじめたようで新たな注文住宅の建設をいくつも見かけるようになりました。
 また、これに伴い、塩漬けになっていたような駐車場用地がいくつも魅力的な宅地(立地、道路付けとも最高ランク、私も欲しかったエリアです。)として売りに出されるようになっています。それなりのお値段の提示をしていると思うのですが、売れると見込んでの販売開始でしょう。

グリーン車利用率

 私はお金を払ってでもまとまった時間を確保したいので、通勤の行き帰りは500円追加料金を払うライナーか、もしくは、時間が合わない時にはグリーン車を使うことが多いです。ここ数カ月、朝夕のグリーン車の満席率が明らかに高まっているように感じます。しかも、中高年層ではなく、若い層が増えてきました。

補聴器販売
 半年ほど前、あることがきっかけで、高齢者三種の神器(老眼鏡、入れ歯、補聴器)マーケットを調べる機会がありました。その中で、国内の高齢化が急速に進んでいるにも関わらず、これまで市場が他の先進国並みに伸びていなかったのが補聴器なのですが、最近、大手眼鏡小売チェーンが本格的に販売するようになり、販売額が伸びてきているというニュースを見かけるようになりました(実際、近くの眼鏡市場の店頭のノボリは、メガネではなくほとんど補聴器です)。しかも、片耳40万円近くする高級補聴器の売れ行きが好調というのを、国内シェアトップ企業の今年の決算短信で最近知りました。消費支出に慎重な高齢者の高額消費も盛り上がってきているのかもしれません。

本業
 私の今の本業のうち、6割はM&A関連ですが、ここのところ、明らかに引合が増えています。また、先日競合他社に所属する元同僚何人かと飲みましたが、皆さん受注好調。しかもIN-INの国内案件が増えています。投資ファンドなども元気になってきたようです。

 Sell in May の格言ではありませんが、ここ数年、初夏には、マーケットが急落することも多かったように思います。特に今年は、年初からTOPIXが4割近く上昇していることもあり、ここから先は、例年以上に警戒心は必要だと思っています。
 しかしながら、現実の街角景気を観察していると、明らかに例年とは異なる良い兆候を感じることが多くなりました。これは、日本株の持続的な業績伸長が見込める局面なのかもしれません。

 そういうわけで、リスク管理上の折衷案として、外貨5割超、キャッシュ・ポジション3割の体制を維持しつつ、残りの銘柄の含み益実現を先送りして、もうしばらく相場についていきたいと思っています。

| cpainvestor | 11:32 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
贖罪の高額消費~決して資産効果ではございません


 大学院に通った2年間は、家族のための時間が激減しました。その結果、家庭での私の存在感は極めて薄くなり、私生活に様々な問題が生じました。先月からは、家族との間に生じてしまった隙間を少しでも埋めるべく、努力を重ねております。

 さて、先週、細切れではありますが、何日か代休を取得し、親戚の訪問も兼ねて、関西方面を旅行することができました。鉄道大好きの子供達は、新幹線に乗れ、梅小路公園で蒸気機関車にも乗れたので、だいぶ満足してくれたようです。この旅行をするにあたり、ここ数年、家族写真すらまともに撮っていないことに気がつき、ふと思い立ってカメラを購入しようと思い、ビックカメラに行きました。久しぶりにカメラ売り場に行って驚いたのは、コンパクトデジタルカメラの存在感の薄さでした。簡単なスナップショットは、十分に性能が上がったスマートフォンのカメラで代替できるということなのでしょう。
 コンパクトデジタルカメラの替わりに、カメラ売り場を埋めていたのは、いわゆるミラーレスの一眼レフカメラでした。「スマホでは難しいクオリティの写真を従来の重い一眼レフなどを使わずに気軽に撮りたい」というニーズにデジタルカメラの主戦場が移っているということなのでしょう。NIKON、CANON、OLYMPUS、SONY、PANASONICなど、大手メーカーそろい踏みで、たくさんの機種が出て激烈な競争を繰り広げていました。店員さんに各機種の説明を一通り聞いた後で、最終的に購入を決めたのは、NIKONのJ2という機種でした(以下画像)。

 

NIKONならではの高機能・高品質、軽量かつ洗練されたデザイン、8綏儺ー鑒売の直後であることによる大幅値下げ(ズームレンズ2本つきで40,000円弱)によるお得感の3つが決め手でした。カメラにそれほどこだわりのない方には、ちょっと出かける時に持ち歩くには、十分満足のいくスペックだと思います。
(以下はこのカメラで撮った大阪城天守です)


桜と大阪城天守

 

 それから、この2年間、最も負担をかけた妻には、グランドピアノの購入を支援することに決めました。家の新築時に、ピアノ教室向けの音楽室を作ったものの、楽器そのものは「これまで使い込んだアップライトピアノで十分、これ以上はぜいたく」と本人が言っていたので、そのままにしておりました。
 ただ、そうは言っても妻にとっては商売道具ですから、ずっと欲しかったようで、少しずつ貯金もしていたとのことでした。今回思い切って、取得原価の2/3を私が支援することにして、ヤマハのC3Xという機種を購入しました。正直なところ、高額出費に関しては、回収期間計算とか、値引交渉等はいつものとおり、私が担当したいところでしたが、今回は「あなたの専門分野外、口出し無用」ということでしたので、全て妻に任せることにしました。
 自宅にグランドピアノが来てわかったことは、「やはり音や響きがアップライトとは全く違う」ということです。家という空間に潤いが生まれ、私も「もしもピアノが弾けたなら…」というフレーズを思い出しました。今は完全に妻の独占消費状態ですが、これをきっかけに、子供達の一人でも、興味を持ってくれればと願っています。

 ここから先が重要なところですが、いずれの支出も原資は私が汗水たらして獲得した「労働所得」であり、株式売却による「不労所得」ではないということです。お金に色はないですが、決して、株価が上がって含み益が増えたから購入したわけではございません(笑)。世間は、株価上昇で高額消費が好調のようですが、これから先、我が家は再び家計の財布の紐は引き締め、バリュー消費を心がけて参りたいと思います。

| cpainvestor | 05:58 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

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