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「極力定時退社」の挑戦


 3人目の息子が生まれて、妻の子育ての負担がこれまで以上に増えました。私が傍らで見ていても、乳飲み子を抱えながらの早朝のお弁当作りや幼稚園の送り迎え、食事の支度や入浴など、本当にがんばってくれていると思います。私もできる限りの協力(完全共働き世帯ならば、協力ではなくて分担でしょう)をしなければ、家族がまわらない状況です。

 そこで、ここのところ毎日考えてきたのですが、上司に相談の上で、少なくとも向う半年間は、私も極力残業、休日出勤、出張を絞る会社のプログラムを申請することにしました。私の職務内容や顧客対応を考えるとかなり厳しいものがあるのですが、家族の事情を最優先に考えることにしました。
 定時後のミーティングや顧客訪問は極力断り、仕事が終わっていようが終わっていまいが定時でいったん帰宅し、子供達の夕飯・入浴・就寝の手伝いを行って、仕事は子供達の就寝後に自宅でできる限りフォローする。週末出勤も極力避けて、緊急対応は若手スタッフに任せる。この方針でどこまでできるか、しばらく挑戦してみようと思っています。

 職場の皆に大きな負担をかけることになりますが、私が挑戦しなければ、女性スタッフは当然のこと、妊娠中の奥さんを抱える若手男性スタッフなど、後に続く皆が結局は困ることになります。「仕事の生産性をできる限り上げる」ということを毎日考えながら、「極力定時退社行動」を実践したいと思っています。

 お知り合いの皆様、しばらくの間、夜の会食等を控えさせて頂きますが、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

追伸
 私の職場のメンバーの働き方、独身男女の構成比率の高さなどを見るにつけ、「なぜ日本で少子化がこれほどまでに深刻化するのか」がよくわかるような気がする今日この頃です。

| cpainvestor | 19:52 | comments(9) | trackbacks(0) | pookmark |
発言に対する覚悟


露天風呂から見る雪景色

  
 私の仕事には、「外部の第三者」として客観的にクライアントである企業の経営課題について指摘し、改善策を共に考えるという場面が少なからずあります。もちろん、クライアントのためを思って耳の痛いお話をするわけですが、「忌憚のないご意見を下さい」という言葉を真に受けてズバッと問題点を指摘すると、思わぬ地雷を踏んでしまい、「何でオカネを払って、お前にそこまで言われなくてはいけないのだ!」とお叱りを受けたことも何度かあります。
 こうした手痛い失敗をする中で、本質的な問題点を事実として認識はしながらも、「相手の気持に配慮した伝え方」なるものを試行錯誤して学んできたわけですが、どれだけ細心の注意を払って発言をしても、それが思わぬところで誤解を生み、大クレームを受けてしまうリスクをゼロにすることはできません。

 「専門家として言うべきことを言えなくなったらおしまいだ!」
という覚悟を持って、クライアントのために日々真剣に仕事をし、発言にも責任を持っているつもりですが、それでも久しぶりに地雷を踏んでしまうと、やはり凹みます。

  「いつか必ず理解してもらえるはず。」

 そう信じながら、とりあえず目の前の仕事を一所懸命に仕上げることしか、今の自分にできることはなさそうです。こんな時の気分転換の方法、どなたか良いものがあれば教えてください。

追伸
 写真は、今週立ち寄った、みちのくのとある温泉旅館の露天風呂から撮った雪景色です。
こちらは、毎日、しんしんと雪が降り積もっております。

| cpainvestor | 00:49 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
地産地消


 今週は、某デバイスメーカーさんの合宿研修講師として、富士山麓に篭っておりました。久しぶりに20代の若者達と熱く語り、彼らからエネルギーをもらって帰ってきました。

 世界市場に向けて様々なキーデバイスを供給するこの会社も、リーマンショック後の「需要消失」で厳しいリストラクチャリングを余儀なくされています。そういった中で、会社の未来をしょって立つ若者達の教育コストだけは何としても死守して、朝から晩まで徹底して詰め込み、議論させて鍛えようとする姿勢に敬意を覚えました。(やる方の体力も限界に追い込まれるのがつらいところではありますが。)

 多くの日本の製造業と同様、この会社も国内需要の停滞・縮小を見据えて、かなり早い段階から海外市場を開拓してきました。ただ、これまでは製品輸出の割合がかなり高く、これによって日本国内の雇用は極力守られてきました。

 しかしながら、昨今の経済環境を鑑みると、国内生産の高付加価値製品が販売できる先進国市場は当分停滞が続くことが予想されています。このため、この会社もBRICSを初めとする新興国市場での事業成長に活路を見出すしかない状況となっています。

 新興国市場のマスを押さえる戦略商品は、どうしても「低価格汎用品」が主力になります。こういった製品をこの会社で供給していこうと思えば、デバイスメーカーであっても、資本と人と技術を現地に持ち込んだ上で、これまで以上に調達・製造・販売を自ら積極的に仕掛けていくしかありません。この会社は、この経営の更なる現地化を、「適地生産」から一歩進んで「地産地消」というキーワードで表現していました。

 日本の外貨獲得に貢献する多くのモノヅクリ企業が今、この会社と同じような経営問題を抱えているのではないでしょうか。厳しい時代ではありますが、医療や介護などの内需産業だけでは、この国は持ちません。多くの輸出型企業にこの苦難をなんとか乗り越えていって欲しいと思いますし、自分もまた、「日本語での高付加価値の仕事が消失することを想定して仕事をしなくてはならない」そんなことを考えさせられた1週間でした。

研修を受講された皆様へ
 1週間、大変お疲れ様でございました。参考書籍などは、このサイトの書評カテゴリなどを参照して下さい。このサイトでの情報提供は、今後もできるかぎり続けていく予定ですので、また、時間のあるときにでも覗いてみてください。

| cpainvestor | 20:29 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
天の時、地の利、人の和


yozan


 今週は、ずっと出羽国に滞在しておりました。大河ドラマ「天地人」ブームでスポットが当たった米沢は、既に雪が舞っておりました。しんしんと冷える米沢城址を訪れ、関が原合戦の後、会津120万石の大々名から30万石に減封され、それでも家臣をほとんど解雇することなく、ひたすら耐え忍んだ上杉家に想いをはせてまいりました。

 地方出張で現地を歩くとよくわかるのが、「県境で経済圏や文化圏を判断してはいけない」ということです。現在、出羽国南部は山形県となっていますが、その行政区分は大きく4つに別れています。米沢市を中心とする置賜地方、山形市を中心とする村山地方、新庄市を中心とする最上地方、そして鶴岡市を中心とする庄内地方です。
 それぞれ江戸時代の藩割の影響が色濃く残っていて、米沢に行けば、「上杉氏」、山形に行けば「最上氏」、鶴岡に行けば「酒井氏」の名前ばかり聞くことになります。それでも、山形新幹線が走る米沢から山形、新庄へ抜けるエリアは、まだ同一経済圏として見られなくもないと思うのですが、名峰月山を越えた日本海側の庄内地方は、同じ山形県でも全く異なる経済圏である印象を受けました。例えば、ドラッグストア業界の雄、カワチ薬品(2664)は、本拠地の栃木から福島、宮城、山形と北上する店舗展開を続けていますが、米沢→山形→新庄と出店してきたものの、なぜか鶴岡・酒田にはまだ出店がありません。庄内地方は山形経済圏の延長として捉えるのではなく、秋田、新潟などと共に日本海沿岸都市経済圏として捉え、腰をすえて店舗戦略などを考える必要があるのかもしれません。
 
 このような現象は、日本各地に見られ、ドミナント出店を得意とする小売業が他地域への店舗展開を考える場合に「文化・風習の似通った進出しやすい場所」を選定するための知識として重要です。「地の利」を生かした出店をしようとすれば、「地理的距離を測るのではなく、歴史に学べ」ということが正解なのかもしれません。

 写真は、米沢城址の上杉鷹山公の銅像の下にあった、彼の有名な言葉を刻んだ石碑です。

| cpainvestor | 23:30 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
景況感


 このサイトにあるように、不景気ニュースには、事欠かない今日この頃ですが、最近、身の回りで気になった景気情報をいくつか記載します。

 峽从儼蓮廚ら 「啓蒙系」に鞍替えした日経新聞
 広告枠を埋めるのに苦労されている状況がリアルに伝わってきます。最近はやたらとフォーラムやパネルディスカッション、政府系広報など啓蒙系のページが多くなりました。日曜版の求人情報の少なさは半端ではありません。

 クレサラ系で埋め尽くされる中吊り広告
 先日乗った地下鉄は、クレサラ(クレジット・サラ金返済)系の弁護士・司法書士事務所の広告と宗教系出版社、それに若干の女性誌広告でほぼ埋め尽くされておりました。

 夕方のマクドナルドの異常な混雑
 夕方に、地下街のマクドナルドの前を通ったら、異常な混雑ぶりでした。中を覗いてみたら、「無料コーヒーと200円ビックマック」というキラーコンテンツの販売による活況でした。デフレの進行を実感させられました。

 駅前のティッシュ配り消滅
 毎朝のサラ金各社によるティッシュ配りがなくなりました。本来不況で元気になるはずの業種だったように思うのですが、規制強化でいよいよ追い詰められているということかもしれません。

 アウトプレースメント(再就職支援)会社のダンピング合戦
 アウトプレースメント会社のカウンセラーをされている方の話を聞く機会がありました。雇用整理のニーズは堅調だが、多数の人材派遣・紹介会社の参入で、強烈なサービス価格ダンピングが起きているとのことでした。「実際に再就職先を見つけることができるのか」という私の質問に対しては、「本人に意識改革をさせて、どんなに条件を下げても、フルタイムの正社員職を見つけるのは、非常に困難。」との回答でした。

 不動産鑑定士と弁護士の営業
 本業の方で不動産鑑定士と弁護士の方から営業訪問を受けました。不動産鑑定士はともかく、弁護士からの営業訪問は初めてです。自分の話されたいことだけを話し終えて帰って行かれるのを見て、営業になってないところがちょっと笑えました。司法試験の合格者数の減少はマスコミにも大きく採りあげられていましたが、その時の話によれば、不動産鑑定士の場合は、受験者数も合格率も減少しているとのことでした。今秋の会計士試験の合格者数も大幅に減少するのかもしれません。

 昨秋の景気の急激な落ち込みもひどいものでしたが、最近の消費そのものの落ち込みは、その時を凌いでいるのではないでしょうか。日銀は景況判断を上方修正したようですが、どん底から底ばいに転じただけで、個人的には、日経平均株価だけが妙に高値を保っている印象を受けます。

 こういう時、勤務先が変わる前から、長くお付き合いさせて頂いているお客様との個人的信頼関係から頼まれる仕事は、本当にありがたいものです。この経済環境は、「地道にやるべきことをやり、自己研鑽と家族サービスに励め」という天からのメッセージなのかもしれません。
 
 新しく出た会社四季報も、時間があるうちに、紙の方を購入して、じっくり見てみようと思います。こういう時の自己投資、株式投資こそが、やがて花を咲かせるように思います。


                        

追伸
数少ない女性読者の皆様へ
あの、ノリピーの涙は、信じても良いものなのでしょうか???

| cpainvestor | 20:04 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
魚網は維持しても、ニシンは戻らないかもしれない


 上場企業の4-6月期の業績が前四半期に比べ持ち直したことで、株価は最近、小康状態を保っているようです。また、なりふり構わぬ公的資金の注入で、半導体や液晶などの設備型産業も今のところ存続できています。最近、このような世界市場に汎用製品・サービスを提供する設備投資型企業を私の中では「ニシン漁モデル」と命名することにしました。

 江戸末期から、明治、大正期にかけて、日本海に面する北海道沿岸には、春先になると、ニシンの大群が押し寄せました。これを沿岸に仕掛けた大規模な網で一網打尽にすることで、漁民には多額の富がもたらされ、特に沿岸の漁業権を持つ網元の中から、多くの成金が生まれ、ニシン御殿が建ち並びました。
 ところが、昭和に入ってしばらくすると、ニシンの群来は、ぱったりと止みます。「ただただ、ニシンを待ち続けて網を拡張し、維持し続けるだけの漁法」では、まったく打つ手がなく、網元達は次々に倒れていくことになりました。

 「激しい製品価格下落の嵐の中で、設備投資競争という消耗戦に巻き込まれ、その中でもがいているうちに需要急減にあって万事休す、ただ、公的資金で設備を減損し、なんとか食いつないで次の製品需要回復を待ち続ける・・・」そんなシナリオの企業群を見るにつけ、個人的には「ニシンはアラスカやサハリンで先取りされてしまって、北海道沿岸で待っていても、もうたいした漁はできないかもしれないのではないか」と考えてしまいます。「ニシン漁モデル企業」は、これからも一時的なニシン群来のタイミングで、多少の鞘取りはできるかもしれませんが、少なくとも長期投資には向かない銘柄でしょう。

 なまじ規模が巨大化してしまったために、今さら高級魚の養殖業への全面転換などはできないのでしょうし、放流する稚魚や稚貝も用意していません。サケ・マス(太陽電池?)あたりを採るにしても、ライバルはめちゃくちゃ多そうで、サケ・マス漁もすぐに「ニシン漁モデル」になりかねません。こういう会社を見れば見るほど、既存の魚網維持のための公的資金は、激変緩和のための延命措置にしかならないような気がします。

 番屋でニシン漁の出番を漁民としてワークシェアリングをしながら何年も待ち続けることも、個々人としては、かなりリスクが高い行為であるといえそうです。まずは、これまで蓄えてきた財産だけでも、養殖業の方に避難させ、必要に応じて新しい職場探しのためのトレーニングを始めた方が良いかもしれません。

 私の今の本業も、いつ採れるか分からないカジキマグロを求めて特定の漁場を周回するトロール船のようなものです。まずなけなしの財産だけは、国内外の養殖業に避難させた上で、勝てそうな漁場を絞り込んで知り尽くし、そこであれば、別の種類の魚も釣れるようにしておきたいところです。ニシン漁の船や、トロール船に乗ってしまっているという自覚のある皆様、一緒にがんばりましょう(笑)。

 
追伸
 日経セミナーにお越しいただいたこのブログ読者の皆様、誠にありがとうございました。「ビジネススクールを名乗る以上、採算は厳しくてもこのレベルのセミナーをやらなくてはならない」と考えてくれた主催者の熱意と、多数のブログ読者の皆様の参加のおかげで、「利益の質分析」というマニアックな内容のセミナーを無事開催し、終了することができました。セミナーが参加された皆様の企業分析スキル、投資スキルの向上に少しでもお役に立てる内容であったとすれば、幸いでございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

 

| cpainvestor | 01:30 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
理解 → 同感 → 共感

 
 昔ある職場でお世話になった方から、投資初心者にやさしい決算書分析を教える講師の方々向けに「わかりやすい決算書分析の教え方」なる「講師向け研修」を激安ボランティア価格で頼まれてしまいました。正直なところ、あまり気が進まなかったのですが、私にはどなたかのような「断る力」がないので、結局引き受けることになってしまいました(泣)。

 一度、引き受けるとお約束してしまった以上、手は抜けなくなる性分なので、先日、この団体が主催する「決算書分析」の講義を見学させてもらいました。若かりし頃に自分がこの手のテーマで初心者向けに講義をすることが何度もありましたが、なかなか人様が自分とかぶるテーマで話しているのを見聞きする機会はなかったので、いくつも新たな発見があってなかなか興味深いものがありました。

 それにしても、「決算書の読み方を知りたい」というニーズは高いのですね。真夏の暑い日だというのに、40名以上の方が熱心に聴講されていました。どおりで雨後の筍のように大量の「決算書本」が出版されているわけです。

 講師の方の話を聞いていて改めて思ったのですが、個人のプレゼンテーションだけで、公募で集めたレベルにバラツキのある受講者の大多数を短時間で「理解」→「同感」→「共感」のレベルまで持っていくというのは、至難の業ですね。

 安田佳生氏のこの著書では、人は「わかる」という意識について、3段階のレベルを持っていると説明されています。

レベル 理解する
文字通り、説明している内容の意味を相手が理解すること

レベル◆同感する
「理解」が進むことによって、「ああ、そうそう、私も前々からそう思っていた」などと相手の考えていることとの同意が得られること

レベル:共感する
「同感」に加えて、話者の感情がじわじわと伝わることによって、相手の感情にはもともとなかったような感動なり衝動が生まれること

 本当の意味で「わかる」というのは、おそらくで、のレベルまで聞き手の感情を持っていくことができれば、必ずそれは「聞き手のアクション」に結びつきます。例えば、決算書分析の講義の例で言えば、「ああ、うちに帰ってもっと沢山の会社の決算書を読んでみよう」ですとか、「参考書籍をいろいろ購入して、もっと深く勉強してみよう」という感想が返ってくるようになるところを講師としては最終的に目指さないといけないのだと思うのです。

 ,痢嵳解する」はシンプルなプレゼン資料と明解なロジックに基づく解説ができるような台本を用意してあげられればなんとかなります。△痢崙唄兇垢襦廚蓮∧かりやすい具体例をいくつも挙げて説明することができれば、たどりつけるかもしれません。ここらあたりまでは、「講師研修」でマテリアルを用意して説明することで私でも底上げできそうな気はします。ただ、の「共感する」は、「相手の感情に思いをはせる」ということになるので、多分に講師のサービス精神とパーソナリティ、実務経験値に依拠することになります。ここを標準化、一般化するのは全くもって難しいです。

 「人にものを教える人」に「その教え方を教える」というのは、思った以上に難しい仕事だと講義を聞いていて思いました。夏の仕事が落ち着いている間に、このレベルの方法論についても、もう少し研究してみたいと思いました。

 余談ですが、この「わかる」の3段階解説をしている安田佳生氏は、身近な事象を題材に物事を深く考え、その本質だけ抽出して、これを面白く、分かりやすい文章で表現することにかけては、抜群のセンスをお持ちだと思います。どの著書も言っていることの本質はほとんど同じで、自分は出版社のマーケティングに踊らされているだけなのではないかと思いつつも、彼の視点がとても面白いのでつい手にとって読んでしまいます(笑)。彼の著書は、いずれもベストセラーなのだとは思いますが、一話完結型のエッセイ集で、満員電車の中でもサラサラっと読めるので、気分転換にオススメです。まだ読まれていない方は、中古本でも十分楽しめると思いますので、いかがでしょうか。

         

追伸
 先日ご案内した「利益の質」分析のセミナーも、開催が迫って参りました(ただ今原稿追い込み中・・・)。お越しいただいた1人でも多くの方が上記レベルに近づいて頂けるように、最善の努力をしたいと思っております。主催者に確認したところ、既にこのマニアックなセミナーを開催するには十分な人数の方がお集まりだと聞きました。市中の決算書本では満足できなくなったファンダメンタル投資マニアの方の参加も引続き募集しております(笑)。このブログ読者の方でお越しいただいた方は、ぜひ、講師に一声おかけ下さい。

| cpainvestor | 22:56 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ガンダムビジネス


 今週は、NHK衛星でやっていた「ガンダム宇宙世紀大全」毎晩眠い目をこすりながら、見てしまいました。私はいわゆる「ファーストガンダム」に関して、全てのストーリーを幼少時に見て感動し、プラモデル作成にはまってしまったクチです。ただこれまで、「ゼータガンダム」以降の続編はほとんど見たことがなく、ストーリーそのものもよく知りませんでしたので、いわゆる「地球連邦軍とジオン軍の1年戦争」後にガンダムの世界がどのように変化していったのかは、この番組を見て、初めて理解することができました。マニアにはたまらない見応えかと思います(笑)。

 一言で言うと、「地球連邦軍VSジオン軍」というわかりやすい図式から、「地球連邦軍の派閥分裂とジオン残党他の群雄割拠」という複雑な図式に変わっていったわけですね。番組の中で採りあげられていた場面を見ただけでは、登場人物の位置関係や、敵味方が複雑すぎて全くわからず、思わず職場で昼休みにグーグル検索をしてみたところ、あるわあるわ…多数の詳細な解説サイトがあって勉強させて頂きました。機動戦士ガンダム公式百科事典まで出版されているのには驚きました(笑)。

 このNHKの番組の途中途中で、ガンダムに影響を受けた様々な人々のインタビューが組み込まれていましたが、アニメ関係者のみならず、科学者がいたり、作家がいたりと、改めてこのアニメの影響力の大きさを実感しました。
 
 このガンダム作品(特にファーストガンダム)は、今、大人が見ても十分楽しめる内容で、今では幅広い世代にファンが広がっているようですね。(個人的にはマチルダ中尉が好きでした。検索してこのようなマニアな動画を見つけ、なんだか得した気分です。)ガンダムシリーズは、ディズニーアニメより、ストーリーもキャラクターも手が込んでいて、よくできていると思うのですが、若干複雑すぎてやはり世界展開は難しいのでしょうか。権利関係は創通とサンライズが握っているようですが創通の売上金額ボリュームを見る限り、「まだまだ国内がほとんど」という状況なのではないかと推測されます。

 この創通という会社は、ガンダムという屋台骨に支えられ、着実に業績を伸ばしてはいるのですが、売上高の伸びに比べ営業利益の伸びはいまいちです(下図参照)。

 本来版権ビジネスであれば、もっと利益率は高く、業績も乗数的に伸びても良いはずだと思うのですが、「ガンダムの次のネタ」を探して多数出資しているアニメ作品の収支がかんばしくないのかもしれません。

 ただし、巨額の設備投資や研究開発投資を必要とせず、コンスタントにガンダム関連作品を量産していることで、この会社、キャッシュだけは着々と溜め込んでおります。株式時価総額は100億円程度のようですが、ネットキャッシュ(図のブルー部分)で80億、投資有価証券(図の薄グリーン部分)も換金化できそうなものだけで、20億近くはあるのではないでしょうか。那須氏というオーナー一族が発行済株式の過半数を握っていなければ、間違いなく買収ターゲットになる万年バリュー株であります。

 創通の中期事業計画などをみると「アジア進出」を次の柱に掲げています。権利関係を守るのが大変な国々に進出するのは、非常に骨の折れることだとは思いますが、このアニメの一ファンとしては、「ガンダム」を世界に広めるためにがんばってもらいたいところです。ただ、少なくとも、目先の企業価値向上のためには、オーナー一族の株式を資本市場に放出して持分比率を下げるだけで、相当に時価総額が上がるように思うのですが、いかに。

 このコラムは投資を勧誘するものではありません。投資は自己責任でお願い致します。

参考記事:ガンダムに学ぶコンテンツビジネス成功の仕掛け

| cpainvestor | 01:12 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
夜8時からの予約を受け付けるか否かについて考える


  そこそこ繁盛している飲食店を経営されている皆さんにとって、「夜8時からの予約を受け付けるか否か」というのは、とても難しい問題だと思います。

 どの程度の客単価の顧客層を狙っているかにもよりますが、お店の回転率や閉店時間の問題を考えると、明らかに席が早くから埋まりそうな月末の木曜日、金曜日あたりの「夜8時からの予約」は避けたいところでしょう。実際、繁盛している強気な飲食店になればなるほど「金曜日の予約はお断り」というところもあります。

 ただ、忙しく働いていて、それなりの所得があり、そこそこの高客単価が期待できそうな皆さんが集まる食事会などは、7時や7時半スタートが難しく、8時スタートというのも珍しくないと思います。だとすると、8時スタートでそこそこの人数の宴会受注を断ることによる機会ロスもまた、大きいように思います。

 このジレンマに対して、各店の店長さんは、どのように対処したらよいでしょうか。

 今、お店がかなり繁盛していて、まったく客に困っていないということであれば、「一律に木曜、金曜の夜8時以降の予約は断る」という選択もありだと思います。ただし、潜在的な優良顧客に関する予約に関しては、店の経営の持続性の観点から、「ある程度の無理を聞いてあげてでも取りにいく」ということも商売上は、重要であるわけです。

 だとすると問題は、「予約内容からどのようにして優良顧客を判別するか」ということになるわけですが、飲食店の一般的な予約電話に対する対応は以下のような感じでしょうか。

顧客:「お店の予約をしたいのですが…」
店員:「お日にちと、人数と時間を教えて下さい」
顧客:「○日、4名で夜8時くらいからでお願いします」
店員:「只今確認して参りますので、しばらくお待ち下さい。」
店員:「あいにく8時からのお席は一杯でして、7時からのお席であれば受付できそうなのですが…」
顧客:「それなら結構です。」

 人間の腹時計を考えると、7時から食事ができるのであれば、7時から予約を入れていると思うのです。ですから、上記のような事例において、オペレーションマニュアルにある通りに7時とか、7時半に予約を前倒しするように誘導するアプローチは、「店側の都合」を前面に押し出してしまうようで、逆効果であるような気がしてなりません。

 これを以下のように変更するのはどうでしょうか。

顧客:「お店の予約をしたいのですが…」
店員:「お日にちと、人数と時間、それから、過去にご来店頂き、お名刺を頂戴しているお客様であれば、お名前を頂戴できますか、もしご来店頂いているのであれば、弊社のお客様リストを確認させて頂いた上で、できる限り調整できるように致しますので。」
顧客:「○日、4名で夜8時くらいからでお願いします。私の名前は○○です。」
店員:「○○様、只今確認して参りますので、しばらくお待ち下さい。」

(現時点で当日来店者用の空席が確保されており、実際に予約ができる場合)
店員:「○○様、4名様ですと、通路側で多少窮屈になってしまいますが、8時からお席をなんとかご用意できそうです。ビール一杯サービス致しますのでこちらの御席でいかがでしょうか。(顧客の期待を満足させる答えを用意しながらも、最も埋まりにくい席に誘導する)」
顧客:「それで結構です。よろしくお願いいたします」

(現時点で全く空席がなく、予約ができない場合)
店員:「○○様、4名様ですと、その日はどう調整しても、難しそうです。とても残念ですが、またの日にお越しください。」
顧客:「わかりました」

 実際に、顧客情報と販売情報をつなぎ、名前の頭文字を入れただけで瞬時を識別し、客質を判断できるような予約データベース(DB)が、店舗内に構築できていれば理想ですが、そういったものがなくても、アルバイトさんが枕詞を一つ加えるなり、電話応対を少し工夫するだけで、顧客の質の識別がある程度できるように思います。実際にもう少し進んだ大規模有名店ですと、常連の優良顧客にだけ教えるWebに開示されているものとは異なる電話回線を設定し、この電話番号にかかってきた顧客だけは、店長か副店長が必ず対応し、無理を聞いて優先的に予約を入れるというようなこともやっていると聞いたことがあります。

 私はこれまで、飲食関係のビジネスを見る機会が何度もありましたが、顧客情報と客単価情報をスムーズにつなげて、瞬時に顧客の質を見分けられるようなDBを構築し、予約受付業務などに活用している店には遭遇したことがありません。ただ、既に顧客情報を持っていて、当該顧客の店舗への誘導もできるぐるなびやOpentableあたりが、リアルタイム予約システムと共に、この手のDB構築サービスをASPサービスなどで店舗に月額課金方式で提供すれば、それなりに需要があるように思うのですが、どうでしょうか。

 飲食店の客質判定のための上記以外の「気の利いた質問」など、皆様のアイデアを募集します。

| cpainvestor | 23:55 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
アントレプレナーシップとアカデミズム


 今日は、久しぶりに、ずっと親交のあるソフト会社の元経営者の方と夕食を共にしました。

 彼(ここではX氏とします)は、日系の大手ソフト会社から、外資系IT会社へと転職し、その後、30代半ばで、ある有名企業からのコンサルティングオファーをきっかけに、自分のITコンサル会社を立ち上げます。ピンで社長が活躍するコンサル会社は山ほどありますが、彼はきちんと従業員を雇い、教育して戦力化し、自社パッケージ開発を成し遂げ、人の縁と持ち前のバイタリティを武器に、超優良顧客への自社製品の導入を実現します。私は、ちょうどこの頃、この会社がいよいよIPOに向けて舵を切ると宣言した時からおつきあいが始まりましたが、当初は、ベンチャーではなかなかお目にかかれない人材スペックと顧客リストにとても驚いたものでした。

 最終的にX社長は、自ら起業した会社を、特定の業界では「ああ、あの会社さんね」と名前の通った立派な会社に育てあげ、特定事業は大手上場企業に売却し、残った会社の経営は自ら育てた後進に譲っています。こう書くと、極めて分かりやすい一つの「起業成功物語」のように聞こえますが、そこに費やされた15年以上の歳月の中では、様々な紆余曲折、アントレプレナーとしての苦しみや悩みがあり、私が知っているだけでもここで簡単に書けない出来事が沢山ふりかかってきておりました。

 現在、このX社長は、自社の特定事業を売却した相手先企業の顧問や、元の顧客企業のコンサルタントをしながら大学で博士号を取得し、ビジネススクールで起業論や、ビジネスプランニングの講座を担当する大学講師として教壇に立っています。学歴自慢だけがとりえのビジネス経験のない学者でもなく、士業やコンサルタント上がりの評論家でもない彼の講義は、実体験に基づく説得力があり、毎回のように多彩なゲストが来場する学内でも評判の人気講座となっているそうです。私がもし、大学でもう一度学びなおす機会が与えられるとすれば、高名な先生に師事するより、彼に弟子入りしたいと思っています(笑)。

 X社長曰く、大学のセンセの中には、「自分の講義での負担をいかにして減らすか」ということばかり考えて、「担当する講座の受講者数は少ない方が良く、できるだけ少数の頭の良い学生とだけつきあいたい」と思っている方も多くいるそうです。

 「評論家活動ばかりして、世間でどれだけ名前が売れていたとしても、こんな人達が担当するMBA講座を高いオカネを払って受講する学生は不幸だよね。僕はこの現状を少しでも変えるためにも学内一の人気講座を主催したいね。そして、そこから一人でも起業家が生まれてくれたら、もうこの世で僕がやり残したことはないね。」

 相変わらず好奇心とバイタリティ旺盛なX社長の威勢の良い発言を聞きながら、「こういう大学教員がもっと増えることが、この国には必要なんじゃないか」とふとそんなことを思った晩餐でした。

| cpainvestor | 00:48 | comments(3) | trackbacks(0) | pookmark |

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